
2008.03.24
ぼくの宝物をためてくれる貯金箱みたい。(2/2)
[ ―― ]
野球がますますおもしろくなりますね。
[ 栗山 ]
そうなんですよね。
本当に愛情を持って言ってくれる言葉っていうのは、
ものすごく心にしみたりする。
そういうところに出会うと
「ああ、野球人っていいな」と思うし、
「スポーツマンっていいな」って思うし、
「人っていいな」って、ぼくなんか思うわけですよね。
[ ―― ]
うわぁ、すてきな話しをありがとうございます。
[ 栗山 ]
こういう話がこの手帳にたまっているんですよね。
ぐちゃぐちゃ、ぐちゃぐちゃ書いているんですけど。
忘れてしまうので、ものすごくありがたいです。
ほんとに大事な手帳というか、
ぼくの宝物をためてくれる貯金箱みたいなものですね。
[ ―― ]
宝物がたまっている貯金箱が
毎年同じサイズで、積み重なっていくんですよね。
大学の授業でも
このようなお話をされているんですか?
[ 栗山 ]
大学の授業はスポーツマネジメントを教えているので
経験論に頼らずに、
ちゃんと調べて楽しく話しをしようとしています。
大学の授業用には専用のノートがあるんですね。
でも普段、空いている時間に資料を読んで
気になることは手帳に書いていたりします。
例えばこの前、資料を読んでいたときに書いたことは、
テレビやラジオの中継が
どのようにメジャーリーグで始まったか、です。
こういう歴史の中で、
ラジオの持っていた意味みたいなことを
学生に授業で説明したりするんです。
使い終わった手帳の行方
[ ―― ]
初代の手帳、つまり2002年から使ってくださっていると、
今年で7冊の手帳がお手元にあると思うのですが
これらはとってあったりするのでしょうか。
[ 栗山 ]
もちろんです。
使い終わったノートと使い終わった手帳が
机の横の本棚に毎年裸になって重なっていってます。
残ったカバーには文庫本を入れて持ち歩いているんです。

特にこのペンさしが助かる。
よく本を読みながらメモをしているので。
いつも何冊か本を持っていたりするんですけど、
歴史物は絶対入っていますね。
ほら、このカバーの中も。
[ ―― ]
『秀吉と武吉』(城山三郎著)ですね。

[ 栗山 ]
野球人は歴史物が好きだったりするんですけど。
「たまたまこいつがこういうふうに言ったから、
歴史が変わった」
というようなことは今も昔もあることですよね。
そういうことを想像するのが好きなんです。
ぼく、すごいバカみたいな夢を持っていて。
将来、60を越えたらね、
戦国時代のことを書く作家になりたいんです。
自分の足で歩いて
「このときに信長はこう考えたんじゃないか」とか、
想像できるかもしれないじゃないですか。
歴史物って、
少ない資料の中でみんな想像するから、内容が違う。
だからこそ、おもしろい。
今、やっていることとは全然関係ないんですけど(笑)。
[ ―― ]
楽しそうな夢ですね。
いつか、ぜひ読んでみたいです。
歴史の話をふくらませていくときも、
ほぼ日手帳がお役に立てるようでしたら
うれしいです。
今日はどうもありがとうございました。

取材に授業に、とお忙しい栗山さんですが
ちょっとでも時間が空くと
「栗の樹ファーム」に足を運んで
球場の手入れをしているそうです。
「蛍も見えるようになったんですよ」
とうれしそうにおっしゃる姿が
とっても印象的でした。
栗山さんの活動や、栗の樹ファームについて
くわしくは
栗山さんのオフィシャルホームページを
ぜひご覧ください。