2007.10.10
「バンドマンに広めたい!」フラワーカンパニーズ鈴木圭介さんの使い方 前編(2/3)

[ ーー ]
流れの箇条書きとかではなく、 ほんとうに一言一句、全て書いているんですね。

[ 鈴木 ]
全部、書かないとね、覚えられないみたいなんです。
曲順をがーっと書いて、覚える。
暗記するときも書いて覚えていた世代なので、 やっぱり書かないと始まらないというか、 書かないと不安なんですよ。
MCとか曲順とか、 体に何かなじんでない感じがするんですよ。

[ ーー ]
書いてなじませるって、すごくわかります。

同じ場所ではネタがかぶらないように。
でもとっておきのMCネタは、何回か使ってます。

[ 鈴木 ]
曲順もライブの前の日ぐらいから いろいろ悩んだ過程が いろんなところに書いてあるんです。
で、丸が囲ってあるやつが、決定なんです。



何個も書き直して全然違う曲順でやったりとか。
基本的にケシゴムは使ってないので‥‥ いろいろ迷ったときはとにかく書いてるんですよね。

アンコールの曲は、その場で決めているので、 ライブが終った後に手帳に書くんですよ、忘れないうちに。

ぼくたちはライブを年間百本やってるかもしれないけど、 お客さんが来るのは年に二回とか三回ですよね。
それぐらいしか観ない人に、 前に来たときと同じ曲順だといけないので、 同じ場所ではかぶらないように書いておくんです。
手帳がないと ツアーも回られないって感じですね、ほんとに。

MCも書いておかないと、平気で同じ話とかしますから。
いかにも初めて喋ったような顔して得意気に喋ってるけど、 みんな、気づいてたみたいなこと、ありますからね。
オチまで知ってるのに、 気を使って笑ってくれたりするんですけど ムードでわかるんですね。
こーれ、しまったな、やっちゃったかなって(笑)。

[ ーー ]
(笑)今年はそんな失敗はないですか?

[ 鈴木 ]
ええ。今年はないですね。全部書いてるので。
何かね、後から見るのを楽しみに 書いてた時もあります。
だから日記的な感じでもある。
何年か後に見たら 強烈に恥ずかしいんだろうなと思いながら。


ライブ中の鈴木圭介さん。
[ ーー ]
でも読み直しがいがありますよね。
MCの話はその日によって違うと思うのですが、 内容としてはどういうものが多いのでしょうか。

[ 鈴木 ]
そうですね、ライブを行う町にまつわるネタも 最初はいいんですけど、 さすがに年に三回ぐらい同じところに行って、 それをもう、十年ぐらいやってるわけじゃないですか。
時事ネタも、そんなに毎日、 大事件が起きるわけでもないですし。
なるべく同じネタはやらないようにしてるんですけど、 自分の中でものすごい自信作もあるんですよ。
ばーんと受けたやつは、やっぱりね、 場所によって二、三回使うんです。

[ ーー ]
同じ話でも毎回手帳に書いているんですか?

[ 鈴木 ]
もう毎回書きますね(笑)。

[ ーー ]
毎回書く(笑)!
もし、さしつかえなければ、 どんな話をしているか、ひとつ教えてもらえますか?

[ 鈴木 ]
(手帳を見ながら)
えっと、何回か使ってたのはね、 今年の四月、五月、 ちょっと喉にポリープができて 休んだ時期があったんですね。
ライブをキャンセルして、 声を出さないようにして、 二ヶ月間ツアーをやらなかったらすごく太ったんですよ。
で、それまではけていたステージ用のズボンが ものすごくパツンパツンになってしまったんですね。
あまりにもパツンパツンなので、 今日はもうこれ以上膝が曲がりませんって、 (実際に立ち上がって、ひざをちょっとだけ曲げながら)
「曲がらないので、今日はもうこれ以上、  下には屈まないよ!
 この状態でライブやらせてもらいます」
っていうのが最初のMCのオチなんです。

[ ーー ]
(笑)もうライブハウスが大爆笑?!

[ 鈴木 ]
いや、そうでもないんですよ。
苦笑いみたいな感じだったり。
そうすると、クッソーって思うんですけど、 実は結構うれしくて、 何かね、燃えて来るんです。
二ヶ月の休み明けのときは この話をよく言ってましたね。

(明日に続きます)

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