2009.03.27
クロスステッチデザイナー大図まことさん新刊発売記念インタビュー


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ほぼにちわ、です。

まずは大事なお知らせから。追加販売分の出荷時期がほぼ決まりました。

3月5日のご注文分は3月28日〜30日にかけて出荷となり、また、3月6日以降のご注文分はそれ以降に順次出荷してまいります。くわしくはご注文いただいたみなさまに、「出荷時期のご案内」のメールをお送りしておりますのでそちらをご覧ください。いましばらくお待ちくださいませ。

さて、本日は「ほぼ日のシールブック」などでたくさんたのしいデザインをしてもらいましたクロスステッチデザイナー、大図まことさんの登場です。

それというのも大図さんの新しい本が発売になったんです。その名も「HOP! STITCH! JUMP!(ホップ・ステッチ・ジャンプ!)」


価格:1600円(税込)
出版社:白夜書房
ISBN:978-4861915093


中の作品たちはかわいさ、ポップさが、これでもかというほどあふれ出ています。また、大図さんならではの一風変わった着眼点はここでも健在ですよ。そんな大図さんにお話を伺いました。では、この本の帯に書いてあるにも関わらず、ご本人が嫌がる呼び名でお呼びしましょう。

「刺繍界のプリンス??」こと大図さん、よろしくお願いたします!

*****

刺繍したものを実際に着たり
使ったりすることの提案


ーー:
今回の本もまた、すごくかわいいですね。


大図:
ありがとうございます。

ーー:
前回の「ぼくのステッチ・ブック」に続き2冊目ですが、全体を通じた大きなテーマみたいなものってあります?


大図:
まえの本が図案集のようになっていて、小さい刺繍のモチーフだけをたくさん載せた本だったんですね。それで今回の本は、そこから一歩進んで刺繍したものを実際に着たり使ったりすることを提案してみようと考えて作品を作りました。

ーー:
なるほど。


大図:
たとえば、エプロンだったりとか。既製品に刺繍をしてるんです。

ーー:
今回載っている作品っていうのはこれまでに作り貯めておいたものなんですか?


大図:
いや、この本のために作った作品ばかりですね。前の本は図案集のようだったから、ページに載せる作品は布に刺繍していくだけでよかったんです。だから、手伝ってくれる方々に指示を出すのは簡単だったんですが、今回はふだん使うものに刺繍をする、というテーマがあったから指示を出すのがたいへんでしたね。



ーー:
しかに、この本を見る限り、いろいろなものに刺繍してますね。キャップ、シャツ、ジーンズ、トランクス、エコバッグ‥‥CDジャケットまで。これはたいへんだ! お手伝いされている方は何人くらいいるんですか?

大図:
始めはふたりだったんですが、最後のほうで締め切りギリギリになっちゃって、急遽ひとりなんとかお願いして手伝っていただきました。福岡在住の刺繍作家の方なんですが、時間がなかったので航空便でやり取りしましたね。

ーー
航空便で刺繍のやりとり(笑)。すごいですね。


大図:
前の本でも手伝っていただいた刺繍作家の方なんですけど、僕、1度もお会いしたことがないんですよ。

ーー:
えっ?


大図:
電話やメールでよくお話はするのですが、今回も結局会わずじまいでした。

ーー:
それスゴイ話ですね。


大図:
手芸業界もIT時代に突入です。

ーー:
‥‥。


大図:
あと、もうひとつたいへんだった、というか残念だったのが、絵柄のアイデアの段階でけっこうな数のボツが出たんですよ。

ーー:
「ボツが出た」ということは‥‥。


大図:
編集者の方からボツです。ページ数の都合という理由ももちろんあるんですが、けっこう「おもしろくない」っていう理由でバッサリ切られましたね。

ーー:
たとえばどんなものがあったんですか?


大図:
それぞれのページにコンセプトがあるんですね。で、女の子のカバンの中をイメージしたページに筆入れがあったんです。で、僕は筆入れ→勉強→先生という連想で、「ふくろう博士」というキャラをクロスステッチで入れたかったんですね。よくドリルとかに描いてあるような。

ーー:
はいはい、学者っぽいふくろう、ですね。


大図:
そうです。そうしたら、その編集者の方から「ダサい」って言われて、バッサリ切られちゃいました。

ーー:
あははははは!


大図:
「『ふくろう博士』絶対ダメ!」って。

ーー:
いや、笑っちゃだめなんですけど、なんかおかしいですね。ネーミングの問題、とかでもないんでしょうね。いいのになぁ「ふくろう博士」。



▲大図さんから、ボツとなった「ふくろう博士」の写真をお借りすることができました。やっぱりいいのになぁ「ふくろう博士」。

大図:
けっこう編集のその方からは、「ボツ」って言われるんですよ。

ーー:
そういうときってどうやって解決するんですか? お互い譲らない状態になったりします?


大図:
‥‥僕が折れますね。まだまだ新人ですし。

ーー:
新人って(笑)。


大図:
でも、その編集の方、本当はいい人なんですよ。よりよい本を作りたくておっしゃってくれてるんですから。

ーー:
うんうん、そうですよね。


大図:
一応、フォロー入れておかないと。

ーー:
あはははは。


大図:
いま掲載されている数の倍くらい図版は描いてるんですよ。



ーー:
えー、そんなにですか。


大図:
はい、それだけ僕が折れたということです。けっこう苦労しましたけど、その分いい本に仕上がっていると思います。是非、見ていただいて実際に作ってみてもらえるととってもうれしいですね。

*****

大図さん、ありがとうございました。

事実、すごくかわいくて、それでいて、ちょっとニヤリとしちゃうようなクロスステッチが満載です。ぜひ、書店で手にとってみてくださいね。

大図まことさんのホームページはこちら

さて、これまでの写真を見ていて、机の上に置いてあった黄色い「ほぼ日手帳」が気になった方も多いのではないでしょうか。そうなんです、このナイロン・イエローの「ほぼ日手帳」は大図さんのもので、表紙にクロスステッチが施されています。

しかもこれ、カバーのほうではなく、カバー・オン・カバーのほうに直接クロスステッチがされてるんですよ。



モデルの写真をトレースして図版を作成したあとステッチを施していくとか。まる1日かけて完成させたそうです。

さらに、すごいのは背表紙のところに膝がきているので、開けたり閉じたりすると脚が曲がるようになってるんです。

このアイデアにはその場にいたみんなが「なるほど〜!」とものすごく関心していました。アイデア次第で楽しく使うことができますね。


▲あんまりにもかわいかったので掲載しちゃいます。大図さんの腕時計、その名も「K(NIT)-SHOCK」。

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