2021-01-22

・冬だからだけど、寒い。いま、すぐに必要なのは、タイツを履くことだ。上半身にいくら厚着をしても、下が一枚じゃ寒いよね。

昔々、若い娘だった加賀まりこさんが、「ももひきはかっこわるい」と断言してからというもの、日本のももひきが滅亡していくことになった。ももひきは、すっかり見なくなったけれど、それを補うためにタイツというものが登場してくれた。これはももひきではない、タイツだと言えば言える。機能は同じだし、履く理由もももひきと同じなのだが、これはタイツなのであって、ももひきではない。とかね、都合よくごまかしながら、寒がりのおじさんは、静かにタイツを履こうとする。

いまでも加賀まりこさんはかっこいいから、いまも「ももひきはダサい」と考えているかもしれない。「タイツだって、ももひきじゃない?」と見破るだろう。それはそれで認めるしかないが、寒いのである。もう、加賀まりこさんになにを言われても、おじさんやおじいさんは、タイツを履いたほうがいい。ぜんぜん、寒さがちがうんだから!

ぼくは、去年から、冬はタイツを履くと決めた。もともと気仙沼とのおつきあいなどもあり、北国に行くときには旅支度としてタイツを履いていたが、そのままもう東京でも脱がないことにしたのだった。快適なんだもの、下半身のもう一枚って。いままで履かないで冬を過ごしていたことが、とんでもなくやせ我慢だったようにも思うのだけれど、それもそれでよかったような気もしている。暖かくするためにタイツを履くことを、ちょっと「かっこわるいからやめておく」というのも、尊重してもいい考え方なんだと、じぶんを庇っておく。

しかしもう、タイツを履けだ。自らも履くし、友にもすすめる。加賀まりこさんのことは、ちょっと忘れることにする。それにしてもさぁ、ひとりのキュートな女優が、日本列島から、ももひきを駆逐したんだよ、ほんとに。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。この老人随筆を、若い人は、どんなふうに読むのかなぁ。

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