2018-08-18

・蜂が刺す臼が乗っかる 栗爆ぜる猿は去るもの逃げるもの蟹は泡吹き横歩き

唐突に、こういうメモが見つかったりする。なんのために書いたのだったか、「さるかに合戦」を歌にしてみようと思ったらしい。じぶんでやったことなのだけれど、いまのじぶんには動機がよくわからない。細胞は絶えず入れ替わっているから、昔のじぶんと現在のじぶんは、別人なのだともいう。ときどき、そうかもしれないなぁとも考える。

飛んで逃げ出して 帰っちゃこない安い香り バイバイコロン

これも歌詞として残っているものだ。40年近くも前に書いたことは忘れてはいないけれど、「こういうことを書く気になるじぶん」のことは、あんまりよく憶えていない。ただ、この時期に書いたものを、いま読むと、物語の主語の位置にいる人物が、青年なのだ。なにか思うにまかせないことがあって、失敗しても迷惑をかけてもいいから逃げ出したい、というようなことを考えていそうだ。技術として、青年を主人公に物語を描こうが、方法として女性の語りで話をすすめようが、やればできるとは思うのだけれど、昔のじぶんがやりたかったようなことは、いまのじぶんにはできないものだ。

経験を重ねていって、うまくなることも多いのだけれど、うまいへた以前に「それは書けない」となることも多い。昔のじぶんがやりたがっているようなことを、いまのじぶんが手伝う、あるいはその逆。この組み合わせが、いちばんおもしろいのかもしれない。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。学校よりも、いろんな年代が集まりやすいのが企業だよね。

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