カニの話をしてるんだよ。

[糸井]
あの、ずいぶん昔にさ、日野皓正さんにニューヨークで会ったんだ。

[南]
うん。

[糸井]
そんで、日野さんの家におじゃましていろいろ話してたときに、日野さんが、
「アメリカ人のも、 ふつうの大きさなんだよね」って、サラッと言ったのを覚えてるなぁ。

[南]
ははははは。その手の話だと、湯村(輝彦)さんがアメリカに行ったときの話がおかしくてさ、バスに乗ったら、ものすごくデカい黒人がいちばん後ろのシートにどーんと座ってたと。

[糸井]
うん。ふふふふ。

[南]
それで、こうひざのあたりで、手を、こういうふうに撫ぜ回しててなにやってんだろうな? と思ったら、ひざのあたりまである、それを、こう‥‥。

[一同]
(笑)



[糸井]
それを触ってたって言うんだよな(笑)。
あの、オレは、思うんだけどね。

[南]
うん。

[糸井]
あれはウソだよ。
湯村さんはウソをついてると思う。

[南]
ははははははは。

[糸井]
タカアシガニ。巨根伝説。

[南]
いや、だから、カニの話。
水族館に行ってごらんよ。
いるから、でっかいのが。

[糸井]
だから、水族館にいるタカアシガニは大きいんだよ、特別に。

[南]
もう、なんでもいいけどさ。

[糸井]
逆に言うとさ‥‥あ、これは、もう、まさしく「逆に言うと」なんだけど。
つまり、正確な意味での
「逆に言うと」の使い方なんだけど。

[南]
なに。

[糸井]
逆に言うと、水族館にいるクジラは小さいよね。

[南]
はははははははは。逆に言ったねぇ(笑)。

[糸井]
うん。ものすごく
「逆に言った」っていう実感がある。

[南]
ははははははは。



[糸井]
水族館のタカアシガニは大きい。
逆に言うと、水族館のクジラは小さい。

[南]
水族館にクジラって、いる?

[糸井]
いるよ。ハナゴンドウクジラとか。
それはね‥‥1.5メートル以上、ある。

[南]
ああ、思い出した。
ポイントは、大きさじゃない。
タカアシガニは、興福寺の阿修羅像に似てるっていう話だ。

[糸井]
ハナゴンドウはクジラじゃなくて、イルカだったかな‥‥。

(なんとか収拾をつけつつ、つづきます)


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