万葉集はじまりの歌を ご存知ですか?

万葉集講座第2回がアプリで再配信となりました。
講師は、奈良大学から國學院大學に移られた万葉学者の上野誠さん。
この日の授業では、万葉集の1番の歌について教えていただきました。
若菜摘みをしている女性たちに天皇が結婚を申し込む歌。
当時の恋が「歌」から始まったことを、この歌を題材に語ってくださいました。

黒板の文字にもあるように、万葉集の研究方法には、文芸的研究や歴史社会的アプローチ、加えて民俗学的アプローチがあるそうです。

上野さんはすべての手法を使いつつ、なかでも民俗学に深い関心を寄せていらっしゃるのですが、その研究姿勢が個人史と絡んで日本エッセイスト・クラブ賞受賞に結びついた近著『万葉学者、墓をしまい母を送る』が今月、文庫になりました。

1973年、13歳という
「大人と子供のあいだ」にあった上野少年は、祖母と母を手伝って亡くなった祖父の湯灌(ゆかん)をします。
故人のお清めですね。
今では業者に委ねることの多い湯灌を体験したことが上野さんの研究の原点になったそうです。

そこからはじまって、話は、老いたお母さまを奈良に呼び寄せ、7年の介護の末に見送った近年の体験へと移っていきます。
極めて個人的な体験を交えてこの四十数年に
「死」との距離はどう変遷したか、万葉学者の考察が光ります。

講座とあわせてどうぞ。

2022/08/24 11:04

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