新たなお芝居の 立ち上がりを目撃

俳優さんがセリフを口にすれば、そこは即座に劇場になる――稽古場を見せていただく度に、そう思います。

「復讐が復讐を呼ぶ血の惨劇」
などと称されるシェイクスピアのローマ史劇
「タイタス・アンドロニカス」。
それを現代とつなぐ木村龍之介さんの
「シン・タイタス」の稽古場をのぞいてきました。

第1幕の読み合わせをしながら、木村さんと俳優さんたちは、この史劇を巡る意見を交換します。
古代ローマ帝国の市民は権力の移動をどう見たのか?
貴族の反応はどうだったのか?
当時の女性はどういった態度で気持ちを表したのか?
どうしてこんなことが起きるのか?
「今」とつながる「罪」とは何か?

お稽古ははじまったばかりで、まだ手探りにもかかわらず、俳優さんたちの声はどんどん熱を帯び、あっという間にそこが演劇空間になっていきます。

7月27日の開幕まで2ヶ月足らず。
ここから何が育っていくのか、先行きが本当に楽しみです。

2022/06/02 18:13

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