師走に伝統芸能

気ぜわしい年の瀬ですが、まったく違った空気の流れる場所にお邪魔してきました。
女流義太夫三味線・鶴澤寛也さんの都内のお稽古場です。

ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
ほぼ日の學校「ごくごくのむ古典」シリーズ
「橋本治をリシャッフルする」で一昨年、
橋本治さんが慈しんだ義太夫を 聴かせてくださった寛也さん。
福岡の能楽堂で特別講義を行ったときは、
シェイクスピアの「マクベス」に あわせて三味線を弾いてくださいました。

今日は、橋本治講座のときもご一緒してくださった女流義太夫太夫の竹本越孝さんと上方舞の師範・山村若静紀さんと週末に紀尾井ホールで開かれる
「女流義太夫と上方舞の世界」のお稽古をなさっていました。

義太夫節と上方舞は、ともに大阪を代表する芸能でありながら、共演の機会があまりないのだそうです。
エネルギッシュな義太夫節と、内なる情熱を静で示す上方舞。
対照的なこのふたつを組み合わせた意欲的な会も回を重ねて今回が6回目。
お三方の息もぴったりです。

お稽古していらしたのは、
「珠取海女(たまとりあま)」。
わが子のために命を懸ける海女の壮絶な物語で、越孝さんの義太夫節と寛也さんの三味線は起伏に富むドラマチックなものですが、対照的に、若静紀さんの舞がどこまでも静謐なのが印象的でした。

語りと三味線と舞。
動いているのはわずか3人なのに、大きな世界が立ち上がります。
伝統芸能の力というものを改めて感じました。

「女流義太夫と上方舞の世界」は12月11日(土)14:00開演紀尾井小ホール。
まだチケットはあるそうです。
ぜひ!

2021/12/07 18:15

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