ズリコバスピス

今日、私の近所の机に、海外から小包が届いていました。
どう見ても宛名欄に
「MR Okamura」と書いてあるので、さんの席に届けてあげました。

そのこぶりな感じと重さから、これは鉱石だな、と思い、
「岡村さん、海外から鉱石が届いてますよ」
と不在の彼にお知らせメッセージを送りました。

なぜ、私が鉱石だと思ったか。

岡村さんとはたぶん10年かそれ以上の同僚関係にありますが、彼がどこでどんな歓びを感じているのかさっぱりわからない、そんな10年をダラダラと私は送っていました。

ある日、夜遅くなった帰り道、駅までいっしょに歩くことになった岡村さんが、ひさしぶりの休暇を取ることを知りました。
「明日は何をするんですか?」と私は気まぐれに聞いてみました。

すると岡村さんは、これまで見たことがないうれしそうな表情で
「鉱石の見本市に行くんです(笑)」
と言ったのです。

そうか、岡村さんは鉱石が好きなのか、よかったよかった、好きなものがあって。

そんな経験から、本日は、こりゃ鉱石だよ、と思ってお届けした次第です。

数時間経って、年中半袖の岡村さんが半袖のまま
「ちがいます」
と言ってきました。

遅いです。遅いけど、鉱石じゃない、ということは? 


「化石です」

6億年前にいた三葉虫、ズリコバスピスだそうです。
それがホニャララ(忘れた)という金属に同化?属化?した(忘れた)、ということでした。
ぜんぜん興味がありませんし、鉱石と化石のちがいもわからないのですが、岡村さんが歓ぶさまを見たのはこれで人生2度めなので、よかったです。
よかった、よかった。

2019/11/26 19:26

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