歌とお酒と男と女

今夜もほぼ日の学校には芳醇な時間が流れました。
万葉集講座第4回の講師は、細胞生物学者にして歌人の永田和宏さん。
そして朗読ゲストとして、俳優の寺田農さんにもお越しいただきました。
深い声で読んでいただいた歌の数々が胸に余韻を残しました。

今日のテーマは、社会派歌人といわれる山上憶良のまなざし。
貧しい人の心を代弁した
「貧窮問答の歌」を最初に取り上げて、永田さんは社会をリアルにみつめた憶良の目の鋭さを語ります。

そして、憶良といえば最も広く知られる子等(ら)を思ふ歌。
「銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむに まされる宝 子にしかめやも」
永田さんは、この歌は単なる子煩悩の歌ではなく、実は大切なのは、この反歌の前にある漢詩であると語ります。
そこをきちんと理解すると、この歌に込められた憶良の葛藤がわかるのだと教えてくださいました。

万葉集の話がつづくうち、やがて流れは、永田さんにとっての歌づくりの話へと移っていきました。
『歌に私は泣くだらう』あるいは、『たとえば君』などの著書で知られるとおり、永田さんと奥様の河野裕子さんは、河野さんの死の直前まで、ふたりで1000首もの歌を交わし、思いの丈をぶつけあいました。
ここは、ぜひ永田さんの著書をお読みください。

万葉の時代から現代へ、時を経て、言葉は変わろうとも、人が人を思う気持ち、社会を見つめるまなざし、気持ちを定形に込めて残す営みは変わらないものだと改めてかみしめた夜でした。

詳しくは学校ニュースをお読みください。

2019/02/06 22:49

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