若い人からどうぞ

が、と私のところにお菓子を持ってきてくれました。


「お菓子がふたつあまったので、よかったらおふたりでどうぞ」


「わーい、ありがとうございます」

ふじたさん、お先にどうぞ。


「‥‥‥‥‥‥‥」

どうしたの?


「スガノさんって、京都の人ですよね」

そうだけど?


「京都は、先輩後輩の序列が厳しい印象があって‥‥。
昔、同郷のともだちが、京都で働いていたときに、年上の方をさしおいてお菓子を先に取ってしまい、『あんたは京都の子やなかったよね』となぐさめるように言われたというエピソードを話してくれたことがありました。
それを、いま、このとき、思い出しました」

先にお取りやす。


「ひぃっ。なぜ急に京都の言葉に!」

結局ふじたは先にお菓子に手を伸ばし、私に、どちらかというと無骨な、繊細ではない茶色いほうを残してくれました。
ごちそうさまでした。

2018/02/27 18:55

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