のりもの酔い

隣の席のおっくんは、昼間に「プロ野球チップス」を食べたあと、猛烈な勢いで仕事をし、夕方ぽつりと
「映画にいってきます」
と言い出しました。

ぽっかり時間があいたのかな?
それか、仕事のための試写会かな?

まぁ、最近忙しそうだったしたまには映画もいいね、いってらっしゃい。

するとおっくんはおもむろに酔い止めのくすりを取り出しました。
なにか、のりものに乗るのでしょうか。
(おっくんは、のりもの酔いすることで 社内外で有名です。
 出張先で車に乗ったりすると いつも無言で、濡れた目をして 窓の外を見つめています)


「いえ、映画でも酔うので」

なるほど!
大画面の手ブレ映像やダイナミックな3Dを真ん前で見るときなどにも酔い止めは効果を発揮するのですね。
知らなかった―!!

そして夜。

おっくんといっしょに仕事をしている
「奥野さんからいただく原稿が まだなんですけど」
と、席のまわりをウロウロしていました。
映画にいったよ、と告げておきました。
おっくん、あとで、映画に酔わなかったら、ももちゃんに連絡してください。

2016/08/04 19:28

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