第5回 インターネットの斎藤さんです。
[斎藤]
「斎藤はインターネットってものを やってるらしい。すごい」
そういうことで噂が広まっていきました。
徳島の商工会議所から講演に呼ばれたりもしましたよ。
「こちら、インターネットをやってる 斎藤さんです」
[糸井]
「インターネットをやってる斎藤さん」には先生にあたる人はいたんですか。
[斎藤]
いや、いませんでした。
東京に出張に来るたびに秋葉原で本を買って勉強して、HTMLを手打ちで入力してました。
[糸井]
自力で。
[斎藤]
ええ、全部。
そうこうしているうちに、斎徳のお客さまに、お菓子屋さんがたくさんありましたので、
「お菓子を売ってみよう」ということで、サイトを立ち上げて、売りはじめたんです。
週に1件注文があっただけで徳島新聞に載りました。
「斎徳、インターネット通販はじめる。
週に1件注文。北海道から」
それで、「すごい!」「売れるんだ!」とみんなから言われていました。
[糸井]
「情報飛ぶんだ!」みたいなことですよね。
人類にとっての大きな1歩が、思えばそのときに起こっていたんですね。
その1件の注文、うれしかったでしょ?
「誰かが見てる」ということは、うれしいんですよねぇ。
[斎藤]
うれしかったです。
[糸井]
そのネット通販の「週1個」がいつか「2個」になったわけですね。
[斎藤]
1個が2個に、2個が4個になっていきました。
自分でお菓子材料の販売もはじめて、1998年1月には、クオカとして売り上げが立っていました。
月商3000円ぐらい(笑)。
[糸井]
いや、その3000円は、大きいですね。
[斎藤]
はい。平行して、1998年にショッピングモールもつくったんですよ。
日本で最初のショッピングモールじゃないかと言う人もいます。
[糸井]
そこでは、どんな業種が店を開いたんですか。
[斎藤]
鳴門わかめ屋さんとか羊羹屋さんとか、蜂蜜屋さんとか、魚介を売ってる店とかです。
[糸井]
そのわかめ屋さんとかは、斎藤さんが熱心に言うからモールに入ったわけでしょ?
[斎藤]
そうです。
「これからインターネットで 売る時代が来るから!」
ってね。
「売れた分の手数料 10パーセント貰えればいいです。
ですから、やりましょう」
と、一生懸命説明して‥‥みんな半信半疑でした。
[糸井]
「両者損はないし、やりましょか」と。
わかめ屋さんの売り上げは?
[斎藤]
売り上げ的にはどうだったかわかりません。
ですが、
「インターネットでわかめを売ってる先進企業」
として、彼らはいろんなところに紹介されました。
[糸井]
なるほどねぇ。
[斎藤]
「うちはネットでやっとんじょ」と。
[糸井]
鼻高々で。
うんうん、わかります。
「ほぼ日」の開通も1998年でしたから。
(つづきます)
前へ
次へ
目次へ
友だちに教える
感想を送る
ほぼ日のTOPへ