[ほぼ日]
あの、あらためてなんですけど、
「Campus」 という、ちゃんとした‥‥といいますか、固有名が付いてたことも、やっぱり重要ですよね。
たんなる「NOTEBOOK」じゃなくて。

[村上]
そうそう、かなり流通しているノートでも表紙に「NOTEBOOK」としか書いてないものがじつは、けっこうありますからね。

[ほぼ日]
いまさらですが、何で「Campus」と?

[村上]
1代めの「Campus」が誕生する前ですから1970年代初頭でしょうか、コクヨから出していたノートで、当時の学生たちに、大きな支持を得たノートが、あったんです。
世界の学府シリーズというんですが。


意匠っぽいデザインの世界の学府シリーズ。
表紙には「CAMPUS」の文字も。

[ほぼ日]
ほう。

[村上]
UCLAなど、世界の有名大学のキャンパス風景を表紙の写真に使ったりして、おもに、受験生に支持されていたらしいんです。
で、このノートがヒットしたおかげで、シリーズとしての「Campus」が、生まれたんですよ。

[ほぼ日]
なるほど、その「大学のキャンパス風景」から
「Campus」につながっていくんですね。
でも、「Campus」が生まれる前までの世のなかのノートのデザインって‥‥。

[村上]
たぶん、無地だったり、地味な布地の柄を複写したシンプルなものか、あるいは「世界の学府」みたいな、意匠っぽいものが多かったと思います。

[ほぼ日]
ということは、ノートの「見ため」の分野も
「Campus」の登場からけっこう、変わってきているんですかね?

[村上]
もしかすると、そうかもしれません。

[ほぼ日]
ははぁ‥‥なるほど、なるほど。
でも、売れてる理由がほんとにはわからないって、すごいなぁ。
そこが解明されて言語化されちゃうと、公式になっちゃって結局ダメになっちゃうのかも‥‥とか?

[村上]
わからないながら、わかりたいと思って試行錯誤をくりかえしてきたのが結果として、よかったのかもしれません。

[ほぼ日]
その積み重ねで、20億冊ですか。

[村上]
ええ、大阪・バンクーバー間です(笑)。



[ほぼ日]
今後も、試行錯誤を?

[村上]
はい、もちろんです。

[ほぼ日]
おお、それは楽しみです!

[村上]
‥‥ちなみにみなさん、ノートを使うときって、ここの、いちばん最初のページから書きます?

[ほぼ日]
え? はあ‥‥たぶん。
ていうか‥‥書かないんですか、みんな?

[村上]
書かない。

[ほぼ日]
リサーチの結果?

[村上]
ええ、「はじめの1枚をめくった右ページ」から、つまり「3ページめ」から書く人が多いんです。



[ほぼ日]
へぇー、それは、なんでだろう?
気持ちはわかる‥‥ような気もしますが。

[村上]
理由はよくわかんないんですけどね。

[ほぼ日]
お話を聞いていると、ノートって奥深いというか、いろいろナゾが多いんですね(笑)。

[村上]
うん、ですから、おもしろいんです。
ノートって。

<つづきます>

※村上智子さんにおうかがいした「Campus」ノートのお話は今回で終了いたします。
次回からは、コクヨの文具を開発し続ける名物社員、田中茂一さんに、ご登場いただきます。
ひきつづき、どうぞ、お楽しみに!


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