[中島]
あはははっ。わかる。
お、お、俺ですか? みたいなね。
[糸井]
だから近頃は、あまりやってないんですよ、作詞の仕事を。
[中島]
うちの場合、プロデューサー兼アレンジャーの師匠(瀬尾一三さんのことです)が厳しいから。
デモテープの段階ですでに歌詞がないと、アレンジすらしてくれないという。
一番だけ書いて渡しても、全体が見えないと、アレンジできないとか何とか言われて。
[糸井]
でも、おっしゃるとおり(笑)。
[中島]
もしも二番の歌詞に大どんでん返しがあるなら、サウンドでもそのための仕掛けが必要ですからね。
だから、師匠に“先に歌詞全部持ってこい”と言われても、グゥの音も出ないってやつですよ(笑)。
[糸井]
なるほどなぁ‥‥!
[中島]
わたし、今日、糸井さんにお会いしたらうかがってみたいことがあったんですよ。
積年の疑問を、糸井さんなら解いてくれるかもしれないと(笑)。
[糸井]
なんなりと。
[中島]
取材中の記者やインタビュアーの方だけじゃなくてね、たとえばファンの方にせよ、たまたま行ったお寿司屋のカウンター越しの板さんにせよ、なぜか“詞や曲はどういうときに書くんですか?”“どうやって書くんですか?”と質問されるわけですよ。
本当に挨拶がわりみたいに。
[糸井]
尋ねられるでしょうね。
[中島]
デビュー以来、それがずっと疑問なんです。
わたしは、誰がどうやって詞や曲を書いたかなんてことには興味がないのね。
みなさんはそれを知ってどうするのかなと。
[糸井]
教えてあげましょう(笑)。
[中島]
さすが。
[糸井]
ゴホン(と咳払い)。
人はつなぎ目が好きだから、ですよ。
[中島]
(キョトン)。
[糸井]
つまりねえ。
[中島]
はい。
[糸井]
人間の性(さが)として、人はあらゆるもののつなぎ目に興味を覚えてしまうんです。
[中島]
ほお。
[糸井]
ポルノグラフィーにしても、恋人同士がつないでいる手にしても、キスシーンの唇にしてもそうでしょ。
[中島]
はいはいはい。
[糸井]
で。
[中島]
はあ!
(つづきます!次回で最終回です)
前へ
次へ
目次へ
友だちに教える
感想を送る
ほぼ日のTOPへ