[中島]
あ、そうなんですかね。
[糸井]
うんうん。だってお客さんがその足取りに付いて来てくれるから、作る権利があるんですもん。
[中島]
うん。
[糸井]
作る権利ってやっぱりあるんで。
[中島]
そうですね。
書いてもいいよと言ってくれなきゃ書けないですもんね。
[糸井]
そうなんです。
それを頼まれてないのに書く状況っていうか、聴いてもらえないかもしれないものを書くってことが、プロの場合ありうるんですよ。
依頼されてない、聴いてもらえないかもしれない、読んでもらえないかもしれない、けども俺は書けるぞっていう自負で書いちゃうものが世の中には結構ある。
でも、みゆきさんの場合は、聴いてくれる人がちゃんと見えてるんですよね、ずっと。
その歩みの長さがやっぱり素晴らしいと思う。
聴かれるために作ってるものって、お客さんが一緒に歩いてきてるなと思わなきゃ作れないはずなんですもん。
[中島]
そうですね。相手あってのことですからね。
[糸井]
みゆきさんは、その足取りが一致している数だけ曲を作ってて、ずーっとそのペースで歩いてきてらっしゃる。
あ、今急に尊敬語になってしまいました(笑)。
[中島]
あははは。
[糸井]
今、知らず知らずの敬意が。
[中島]
冗談ですか?
[糸井]
いやいや(笑)。
幸福なことだし、素晴らしいことですね。
[中島]
うん、そうですね、ラッキーだと思います。
[糸井]
こういう道のりじゃなかったら、どっかで道を間違うってこともありますしね。
よくぞ、近眼を治さずに‥‥。
[中島]
治さずにねっ。
[糸井]
うん。よくぞ、そのシスターの教えも守って。
[中島]
えへへ。
[糸井]
いい教えだなあ。ぼくも覚えとこ。
わかってるつもりだったけど、改めて言葉になると守りやすくなりますよね。
[中島]
ええ、言葉って不思議ですね。
[糸井]
何だか歌詞や言葉の話ばかりになっちゃったので、ここで曲の話も‥‥。
[中島]
あ、曲の話はね、今日はしなくてもいいんですよ?
[糸井]
曲の話はいいなんて、おもしろいねー。
[中島]
あ、でも何かおっしゃりたい?
[糸井]
うん。
(つづきます!)
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