[糸井]
同じ多産でもね。海の藻屑として消えてっちゃうのも含めて、一応、卵として産み出すっていうだけですから。

[中島]
それも多産ですよ。
でもね。ものすごい体力いりますよ、それ。ねえ。

[糸井]
ふふふ。

[中島]
わたしねえ、失礼ながら、糸井さんってすごくふざけた人なんだろうなあって、遠くからしか見てなかったときはそう思ってました。

[糸井]
うん。あ、当たってると思いますよ。

[中島]
あははは。いちばん最初はなんでしたっけ。
パンフレットにコメントを書いていただいたのが最初かな?

[糸井]
んー?(覚えていないようです)

[中島]
あんときに、あ、しまったと思ったんです。
ふざけた人だと思ってたあいだぶん、損した、と思いましたね。

[糸井]
え? ぼく、ふざけてないときがあったんですか?

[中島]
この人、ふざけてんじゃないんだって、どうして今までわたしはわからなかったんだろうと。
損したーと思いましたね。

[糸井]
よくわかんないけど、なんかうれしい(笑)。

[中島]
あははは。



[糸井]
では、ふざけるかたちでしか表現できないものについてお話ししたいんですけど‥‥。

[中島]
なんですかね。はい。

[糸井]
うん。“ふざける”の延長線上には、犯罪までたどり着いちゃう怖さがあるし。

[中島]
ありますね。

[糸井]
同時に、“ふざける”の延長線上に、ふざけたおかげでここの淀みがとれちゃった、っていうこともある。

[中島]
一生懸命ふざけるのって大変な力技ですよね。

[糸井]
大変です。
滑走して空を飛ぶ瞬間のような、その、なんか、力がいりますよね。

[中島]
根性なけりゃできません。

[糸井]
ぼくは、中島さんの中にぼくと同じタイプの飛ぶ力というのか、
「あ、今、よいしょって言った!」
みたいなものを感じてるんです。

[中島]
あははは。よいしょ、ね。

[糸井]
うん。よいしょって言ったなというのを感じて。

[中島]
とりゃー! みたいな。あははは。

[糸井]
さっきの話にも出た、“街角のヴィーナス”というフレーズを聴いたときに、よいしょって声がちょっと聞こえたんですよ。
うーん、でも、もしかしたら、違うのかなあ。
ぼくのよいしょとは違うんですよね、きっと。

[中島]
皆ひとりひとり違うっていう意味での違いはあると思いますけどね。

(つづきます!)


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