[糸井]
「お前たち行くよ!」みたいなさ。
[中島]
ははは、まあ、ある意味そうかもね。
[糸井]
襲撃されたかのような迫力が。
[中島]
たまにゃお雛様も混じってたでしょ。
よくよく見ると、こんなところにこんな可愛らしいのもいた、みたいな。
[糸井]
そうですね、ちっちゃくて可愛らしいものも。
同じ人が作ったとは思えないくらい。
[中島]
いろんな子がいるんですよねー。
[糸井]
そうそう、お会いしたら、聞いてみたいことがいくつかあって。
[中島]
へえ。なんなりと。
[糸井]
「地上の星」の歌詞の♪草原のペガサス、街角のヴィーナス♪、ぼくが詩人なら、あの一行を書けたら大笑いしてると思うんです(笑)。
[中島]
笑うんですか? へっ? 何ちゅうって?
[糸井]
ある種の快感というか。
[中島]
はあ!
[糸井]
人はそれをわたしと一緒に、楽しくだまされてくれるんじゃないかな、っていう喜びを、わーっと感じると思うんですよ。
ぼくなら。
[中島]
はいはい。
[糸井]
で、みゆき様は?
[中島]
ははは、何ですかいきなり様って(笑)。怖いわ。
[糸井]
空と地面をね、ひっくり返しにしたところでできてるといえばできてるんだけど、ああいう立て続けの比喩、やったー! みたいな、ニンマリだか、高笑いだかっていうのはないですか?
[中島]
‥‥‥‥(熟考)。
[糸井]
街角のヴィーナスって、ヴィーナスは天にいるものだから街角にはいないじゃないですか。
[中島]
あら、そうですか?
[糸井]
本人に言ったら、あ、わたしかもって言う人はいるかもしませんが。
[中島]
いや、ヴィーナスに見えるときってあるんですよ。
やっぱりね、惚れて見ればヴィーナスですよ。
[糸井]
ってことは、みゆき様にとってヴィーナスって、やっぱり天上じゃなくて地上にあるものなんですね。
[中島]
そうそう。だからそこを通りかかってるお姉さんが素敵だなって惚れちゃえば、ヴィーナスに見えるでしょ。
[糸井]
そうかあ。ヴィーナスっていうのは、この世にいないようなすばらしいもの、っていう理念ですよね。
でもそれはお互いにヴィーナスと認め合っての関係があったり、ヴィーナスかもしれないという瞬間があったりするってことで、それに対してみゆきさんが、それでいいじゃないって言ってる感じ。
[中島]
はいはい。
[糸井]
だからそれを書けたときには、うれしいんだろうなあって思うんですよ。
(つづきます!)
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