「上機嫌な旅人」(5月25日)

・愛国心というようなものとは、どうやらちがうのだと思うけれど、あの震災の日から、少しずつだけど、ぼくは「ホーム」としてのこの国のことを、いままでよりもずいぶんと、好きになっているような気がします。

傷んでいるところなら、直したい。欠点も多いのかもしれないけれど、それも含めて、「ホーム」なんだからしょうがない。「ここ」を、好きになることで、他の土地のこと、よその人のことも、さらに好きになれるような気がします。

「ホーム」のために、旅をしよう。ぼくの帰れる家は、たしかに「ここ」にあるのだから。

・こんな寓話を聞いたことがあります。

山の上の村にやってきた旅人が、「あんな村は最低だった」と怒りながら、こんどは、山の下の村にやってきました。山の下の村人は、その旅人に言いました。「では、この村もたぶん最低だろうよ」と。

次に、山の上の村からやってきた旅人は、「いやぁ、いい村だったよ」と、うれしそうに下の村の人に言いました。「そうかい。では、この村もいい村だろうよ」と、下の村人は言いました。

もっと、上手にできてたような気もしますが、ま、おおむね、こんな話です。「上機嫌な旅人」として、生きていたいなぁ、とね、ずいぶん昔に思った覚えがあります。

・昨日の西條剛央さんとの対談は、ほんとによかった。近いうちに、「ほぼ日」に掲載される予定です。今日は飯島奈美さんと、給食の打ち合せがあるんだ。それだけでうれしくなる。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。上機嫌というのは、ある意味、最大の美徳じゃないかなぁ。
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