言えることだけ、言おう(3月27日)

 
・口を開いて、ものを言うのが、なんだかつらくなることもあります。やっぱり、ことばには、ことばを発する「動機」がありますから、その「動機」のところが揺れているときには、ほんとは、ことばになんかならないんですよね。

ただ、そんなこと言ってるときにね‥‥。寒さの厳しい被災地にいて、たとえば、集団で避難をするのか残るのか、捨てるべきものは何なのか、守るべきもののために何ができるのか、真剣に考えている人たちのことばが、ニュースの画面から流れてくるのを見ると、逆に勇気をもらってしまうのです。

ぼくはぼくで、口を開いて語ること、それができるように感じたり考えたりすることが、じぶんにとっての大事な仕事だと思うので、「言えることだけ、言おう」と、あらためてキイボードの上に指を置きます。

「しゃべってもいいですか?」という気持もありますが、ぼくと同じような心持ちでいる人のなかから、メールやツイートをくださる方がいて、「読んでてよかった」と言ってくださったりするので、今日も、書くことができます(ほんとにありがとう)。

・どちらが、と相対的なことを言うのではありませんが。原発事故のことが、全国的な災害だとか、世界が共通の危機として注目されていると言われます。そのとおりなのだと思います。

 全世界が被害者であるとも言える事故ですが、その「被害者」は、同時に、地震や津波という自然災害の大被害を受けた方々への、救助者でなくてはならないと思うのです。つくったり、運んだり、人手を送ったり、稼いで支援したり、応援したりという役割も持ってます。 東京にいるぼくは「東京は、元気です」と、無理をしてでも、言い続けようと思うんですよね。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。明るい服を着ようかな、もう少し大またで歩こうかなー。
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