忘れちゃいけない(3月26日)

・3月12日の『今日のダーリン』に、なにを書いていたんだろう、と探してみました。つまり、あの日の夜に書いた原稿です。

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それぞれにできることが、必ず、やがて見えてくると思います。その場その場で、落ち着いて動きましょう。大事な情報は、そんなにたくさんはありません。あらゆることを、知っておかねば伝えておかねばと、情報過多になることは、必要な動きを阻害します。ひとりずつが、小さなリーダーシップを持って、揺れ動く感情のまま動くことはやめましょう。

考える順番として大事なのは、心配するあまりに、確保されている部分までも、疑いだしてしまうことだと思うのです。それを、パニックというのだと思います。最悪の事態を想像するのはいいですが、「手がかり」をむだにしたくないものです。ひとつずつの現場の問題に取り組んでいる人びとの、勇気と尽力に感謝します。

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‥‥あらま、です。ぼくは、2週間の間、ずっと同じことを言い続けているのかもしれません。それは、ひとつには、日本の人たちが置かれた厳しい状況が、まだほとんど解決していないということを意味します。

しかしそれでも、悪くなっているわけじゃない。犠牲になる人、撤退する人、不公平に苦しむ人、無力を感じる人なども生み出しながらも、少しずつ前には進んでいることを、忘れちゃいけない。それを忘れてしまうことは、現場で、背後で、必死の努力をしている人がいることを忘れてしまうことだとも言えます。どうやら、いずれにせよ長丁場になるようです。落ち着けない場にいる人以外は、落ち着いてね。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。花一輪のやさしさと強さを、いまあらためて感じています。 
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