[糸井]
すたまご? それはなんですか。

[黒柳]
酢卵は、プロスキーヤーの三浦敬三さんが持っていらしたんですけどね。
三浦さんって、99歳のときに、モンブランでしたっけ?からターッとスキーでもってすべった方です。
三浦さんは骨のために、生涯ずっと酢卵を飲んでらっしゃったようなんです。

[糸井]
酢卵って、酢漬けの卵ですか?

[黒柳]
フッ(笑)、わたし、ほんとにびっくりしたんですけどね、お酢の中に卵を5つくらい、殻ごと入れるんです。

[糸井]
なるほど、それで?

[黒柳]
それがね、1週間もしないうちに、なんと! 卵の殻はお酢の中に全部溶けてっちゃうんです。

[糸井]
へえ!

[黒柳]
で、お酢のなかに、びよんびよんびよんびよんって、薄い袋の中に入って黄色いものが残るんです。
それ以外は、なんだか、ただお酢の液体、沈殿物が何も見えないようなものができあがるわけです。
それが酢卵というものです。



[糸井]
ほう。

[黒柳]
酢卵には、殻が溶けているわけですから、カルシウムがたっぷり入ってるんです。
これをくしゃくしゃってかき回して、スプーン2さじくらいを牛乳とヨーグルトときなこと黒ゴマの中に入れて飲むんです。
そうすると骨にいい、と三浦さんがおっしゃったので、わたしはしばらく飲んでました、ほんとに。
で、そのね、酢卵っていうものがね、

[糸井]
酢卵‥‥。

[黒柳]
なぜ卵の殻がお酢で溶けるのかが、わかんないんですよ。
ガラスの、フタつきのビンみたいのに入れてやるのよ。
で、作ってるあいだ、冷蔵庫に入れとくんですけどおやりになるとおもしろいですよ?
いれもののなかで「あっ」っと言うまに、殻が全部きれいに溶けて透明になっちゃうの。
ところがあなた、殻がどこに行ったの? って思わない?

[一同]
(笑)

[黒柳]
もうね、中の黄色い、袋に入ったものだけが、びよびよん、びよびよんとなって。
びっくりするわけですよ。



(酢卵の話といっしょに、次回につづきます!)


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