もう、20年も前のことですが。 私はとある会社で研修生として電話番をしていました。 とにかく大きな会社だったため、毎日、ど緊張をしていました。 研修もそろそろ終わるというある日。 いつものように電話に出ると、株式会社ヤマダさんから、係長の田中さんへの電話でした。 私は、フロアの奥のほうで他の人と話している田中さんに向かって、けっこう大きめな声で伝えました。 私「ヤマダさん! 株式会社田中からお電話です」 こちらを向かない田中さん。 私「ヤマダさん! 株式会社田中からお電話です!」 こちらに気づき「え?」という顔の田中さん。 私「田中から ヤマダさん宛にお電話です」 田中さん「え? 俺?!」 私「はい、田中から‥‥ はっ! 失礼いたしました!」 頭の中がひっくり返りました。 二か月間、手取り足取り様々な雑務を教えてくださった田中さんに対して、最後の最後で呼び捨て。
(みつ)
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