サーカスのチケット売り場で働いていたときのことです。 3人連れのご家族の、お父さんが窓口に来ました。 あいにく3席横並びの空きがなく、前に2席、すぐ後ろに1席のL字型で席をご提案しました。 お父さんは 「あ、じゃあ僕が後ろにいけばいいや」 とおっしゃるので、ご案内の間ずっと、 「では、お父さまが 1列後ろに座られまして‥‥」 「番号は離れておりますが、 この◯列◯番が お父さまの席で‥‥」 などとチケットを案内していると、なぜだかお父さんのお顔がどんどん赤くなっていくのです。 後ろでは同じく少し顔を赤らめているお母さんに、 「お父さんだって!」と、10歳くらいの娘さんがくすくす笑いながら耳打ちしていました。 ごめんなさい! あなたはお母さんの彼氏だったんですね! つられて私まで真っ赤になりながら、サーカスデートの成功を心から祈った出来事でした。
(モグワイ)
|