図書館司書として働いていたときのこと。 カウンターに座り端末に向かっていた私に利用者の方が、 「あの、『猟銃』ってありますか」 と訊いてきました。 猟銃‥‥と調べるもどれもヒットせず。 利用者の方が 「ないはずないです、 三浦綾子さんの本なんだから!」 とおっしゃるので、ハッとした私は 「それ、『銃口』じゃないですか?」と。 利用者の方は、 「あ、そうそうそうだわね!」と恥ずかしそう。 気を取り直して検索し直すもあいにく『銃口』は貸出中。 予約表に名前と連絡先、予約したい書名を向こうのカウンターでお書きのうえ、お持ちくださいとお願いしました。 書き終わったその方が 「じゃあ、お願いします」と持ってきた、その用紙の書名の欄には、大きく『猟銃』と。
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