『LIFE』をつくるとき、編集方針で驚いたのが、ひとつのレシピをこまかく、ほんとうにこまかく説明したことです。
いまって、短いレシピが多い中で、『LIFE』のちらしずしは6ページ。
[ばなな]
これ、たいへん。
[飯島]
いままでの本ではありえなかったので、こんなにレシピ載せていいのかな、ってちょっと思ってたんです。
でも、いま逆に、家庭のキッチンで、お母さんがつくるところを見てない人が増えている、という実感もあって、このチームでやりたかったのはそういうことなんだ、これが求められてるんだって思うようになりました。
[ばなな]
手順の多さもそうだし、あと、やっぱり、メニューが肝心だったと思う。
[飯島]
そうですね。
[糸井]
「ほんとに食いたいもんってなに?」
って本音を出し合うっていうか。
取材をしながら、次はどうしよう、何が食べたいと思う? って、しょっちゅうそういう話してたもんね。
[飯島]
はい。
[糸井]
みんな勝手なこと言うんだよ、やっぱり。
「わたしはなんとかだ!」とか。
一番すごいのは、同じ日に撮影するのにカレーとてんぷらとからあげじゃ、おなかがきついから、変えない? なんて。
おまえ、完全に自分でたべることだけ考えてるだろう! って(笑)。
[ばなな]
はははは。
[飯島]
でも、たしかに、みたいな(笑)。
[ばなな]
でも、大切なことかも。
欲望が絡まり合って。
[糸井]
超がつく本音の人が混じってたんで、ぼくもじつは、そういう気分があったんです。
食べるためだけにこのアトリエに来る、っていう仕事、何回もしてるからね。
ひとつ自慢すると、
「あらゆるフライ」はオレがつけたんだ。
[ばなな]
ときめきですねぇ。
ミックスではなく。
[糸井]
あらゆるフライ。
一個ずつ言っていくと、きりがないでしょう。
アジフライいいんじゃない、って言ったときに、でも、ほたてもいいんじゃん、エビもさ、みたいなのあるじゃない。
だから「あらゆるフライ」。
[ばなな]
はははは。
(レシピに手順が多いというのは、 狙ったというよりも、 そうしないと再現できないから、 という単純な理由なんですが、 いま思うとほんとにそうしてよかったです。
つづきます!)
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