汁物とか「とり分けます」って言って、必ず、どんな人でもわかるおいしさのものをとり分けるんです。
と、最後に、
「いやー、やっぱり、おいしい!」となる。

[ばなな]
そうか。
それが作戦だとしたら、すごいことですよね。

[糸井]
道場さんは、わかってると思うよ。
必ずそうだったからね。

[ばなな]
日本人の心をギュッとつかむ。

[糸井]
ぼくは田舎の子だから、よくわかるんだけど、田舎の子でも絶対わかるおいしさ、普遍的なおいしさって、あるじゃないですか。

[ばなな]
うん。

[糸井]
それの、ほっかほかの温かいやつを、とり分けてくるんだもの。

[ばなな]
それがテレビに映ってるんですか。

[糸井]
映ってます。

[ばなな]
じゃあやっぱり、すごい作戦ですね。
すごいなぁ。



[糸井]
それに、例えばフレンチの外国人が対抗したって、無理だよね。

[ばなな]
うん。

[糸井]
「レミーのおいしいレストラン」
って、映画があるでしょう。

[ばなな]
ねずみのやつ。

[糸井]
うん。
あれが、やっぱり、その辺を、わかってる人がつくったんだと思うんです。
原題もそうだけれど、やっぱり、ラタトゥイユなんだよ。



[ほぼ日]
南フランスの、野菜のごった煮料理ですね。

[糸井]
要するにみんなにわかるおいしさがあるんです。

[ばなな]
なるほど。
(まだ、本題に入っておりませんが、 プロローグのように第1回をお届けしました。
 次回につづきます。どうぞお楽しみに!)


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