だから、ぼくは一切「解釈」はしてない。
だから、ドラッカーと、だれかの実体験が結びついていくところを、見てるだけというかな。
[糸井]
なるほど。
[上田]
でも、その「それぞれのドラッカー」をこれから、アメリカの経営者たちが書きはじめたら、すごいと思うよ。
[糸井]
そうですか。
[上田]
だってまだ、そんなに書かれてないですから。
ドラッカーから学んだ経営者たちが、自分の半生を振り返るように、それぞれ、
「ドラッカーとわたし」って、やり始めたら。
[糸井]
はー‥‥。
[上田]
そういう意味でも「まだまだドラッカー」なの。
[糸井]
なるほど。
[上田]
そうそう、翻訳の話が出たから言いますとね、ドラッカーって
「なぜかは、わからないけど」って言葉をよく使うんですよ。
[糸井]
ほう。
[上田]
「なぜかわかるまで、待ってはいられないから」
って言いながら。
[糸井]
なるほど、つまり「事実はこうなんだから」と。
[上田]
そう。
なぜかはわからないけど、事実はこうなってる。
で、その事実に対して、ドラッカーは行動の原則と、具体的な方法とを、示すんです。
[糸井]
英語では何て言うんですか、それ。
[上田]
それは‥‥(笑)、あの、それが、ぼくのいちばん不得意とするところでですね、
「元の英語は何だった?」って訊かれるとたいてい、答えられないの。
[糸井]
へぇー、不思議ですね(笑)。
[上田]
そう、なんですよ。
ええー‥‥「I don't know the reason」とかかな?
[糸井]
アイ ドンノウ ザ リーズン。
[上田]
そんな感じだと思う。
[糸井]
よく出てくるフレーズなんですか?
[上田]
出てきますね。
[糸井]
アイ ドンノウ ザ リーズン。
[上田]
「なぜかは、わからないけど」って。
[糸井]
‥‥その英文が入ったTシャツ、作ろうかな?
[上田]
Tシャツ?
[糸井]
ダイヤモンド社とウチのコラボレーションで、ドラッカーTシャツ。
胸に「I don't know the reason」って(笑)。
[上田]
ははー‥‥。
<つづきます>
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