[上田]
つまり「イトイさんのドラッカー」としてね。

[糸井]
そうそう、そうなんです。
その『断絶の時代』のほかにもこれも流行した『ネクスト・ソサエティ』だとか、ドラッカー以外でもアルビン・トフラーの『第三の波』とか‥‥いちおう、読んでみたんですよ。

[上田]
ほう。



[糸井]
でもまぁ、リアリティなしに読むのって、やっぱりダメなもんで、知ったかぶりで、うなずくのにはいいんですけど、何の意味もなかったと思う。

[上田]
そうですか。

[糸井]
で、ある年の正月に、バリ島へ行ったんですね。
そのときに「読み直してみよう」と思い立って、
『プロフェッショナルの条件』だったかな。

[上田]
ええ。

[糸井]
それと『マネジメント』を持ってったんです。

[上田]
はい、はい。

[糸井]
その他にも推理小説を山ほど持ってったんですが、これがもう、どうしたことでしょう。
どの推理小説よりも、おもしろかったんですよ!

[上田]
ははぁ。

[糸井]
びっくりしまして。プールサイドで。

[上田]
あはははは(笑)。



[糸井]
それまで、ぼくのやってきた「職人仕事」も、この人の言ってることにつながるなと思った。
ドラッカーって人の書いてることは、他の、いわゆる「こうすると儲かるよ」って話と全然ちがったし‥‥。
何より「おもしろいな」と思えたんですよね。

[上田]
そうなんですよね。おもしろいの。

[糸井]
だってまず、ドラッカーの人生そのものが、ひとつの大きな「歴史」じゃないですか。

[上田]
しかも、その歴史は終わってないわけで。

[糸井]
ああ‥‥いまも続いてる。

[上田]
うん、いまも、これからもですね。
ぼくは、5年、10年‥‥50年経っても
「ドラッカー」だと思うんだな。

[糸井]
そう思われますか。



[上田]
うん。誰もいなくなった‥‥としても、ドラッカーは、いるんだ。
<つづきます>


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