坂本 あのね、僕はね、
ちょっと音楽に関係ないんですけど、
ジャージをはいてる人が嫌いなんです。
糸井 (笑)。
坂本 よくコンビニとかにいるじゃないですか。
糸井 います。
坂本 そのジャージはいて
コンビニにいる文化ってかなり長いと思う。
糸井 長い、長い。
坂本 25年くらい。
それで、昔よく遊んでた友達がある日
ジャージはいてたんで、
その瞬間、絶交しました。
糸井 ああー‥‥。
坂本 ほんとに嫌いなんで。
僕の前でみんなはかないでね。
糸井 ああー。
坂本 それくらい嫌いです。
それたぶん、指鳴らすのが嫌いと
同じくらい嫌いだと思う。
なぜかっていうのは、よくわからないけど。
糸井 その、ジャージは、坂本くんにとって
音楽の領域にさえ入ってるんじゃないの?
坂本 そうかもしれない。
糸井 ね。
坂本 なんかこう、そうだね。
重要な(笑)。
何だろう、あれって。
糸井 無遠慮?
坂本 うん、うん。あのね、
‥‥そう、そう。
結局、その、人んちのことは
見たくないじゃん。
糸井 うん(笑)。
坂本 人んちにお邪魔してさ、
よくアルバムなんか見せる人いるけど、
あれって無遠慮じゃない?
人に対して。
糸井 うんうん。
坂本 他人に対する、何ていうのかな。
境がわかってないっていうか。
それに近いものを感じる。
糸井 うんうん。ジャージはね(笑)。
坂本 ジャージに近いのは、
学生の時に、学生食堂で
一人でご飯食べてる人いるわけ。
男とかで。きちんと食べてるんだけど、
それを見ると僕、
すごく不愉快なのね(笑)。
糸井 ああー。
坂本 それはやっぱりさ、
その、自分の生活みたいなのを、
露出させてる感じがするわけ。
糸井 見せちゃって。
坂本 それは、他人に対して
無遠慮だなと思うのよ。
糸井 あ、その感覚はすごいね。
坂本 わかるでしょ? でも。
糸井 わかるけど、俺は、
それは許すからさ。
何でも許すから。
坂本 許しちゃう?
糸井 つまり、見せてはいけないはずのものを、
見る側の気持ちにもなれよ!
ってことでしょ?
坂本 そう。見たくないのに、
強制的に見せられてる。
他人の気持ちも考えてくれと。
糸井 それは、トイレを開けちゃったらね、
中にいた人が、
「キャー!」って言うのと同じ。
ちゃんと鍵かけてくれよ、
俺の方がやだよって思うのと、
同じことですよね。
坂本 それそれ。
糸井 それは、何だ?
坂本 でも、ジャージってその人の生活を
完全に感じさせるものなんで。
糸井 そうですね。個的空間だよね。
坂本 そうでしょう?
糸井 それを俺に見せるなってことだよね(笑)。
坂本 そんな格好して、
外に出てくるなっていう(笑)。
糸井 それは、非常にエロスに
関係あることだろうね。
坂本 そうね。
糸井 出して歩くなよみたいなことね。
坂本 そうです。丸出しじゃないか(笑)!
糸井 丸出しじゃないか(笑)。
で、丸出しにしないっていう
約束があるから、
俺は、見たいんじゃないかって
怒ってるわけだよね。
坂本 そうだよね。
糸井 エロティックの話ですね。
坂本 ですね。
糸井 ‥‥さて(笑)。
坂本 (笑)。
糸井 「さて」でごまかしますが(笑)、
坂本 「丸出し」から、
どうつなげるんですか(笑)?
糸井 丸出しな話にならないように(笑)。
2006-11-16-THU
前へ 次へ
 
Design=sakaida design office
(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN