クマちゃんからの便り
<走れUMI>の宣伝

モンゴル草原のど真ん中に
巨大な鉄のオブジェを建てに遠征したことがある。

羊や馬の脚以外に大草原で
垂直に立っているモノを見たことがない現地の子どもらは、
吹きだす汗をたちまち塩にする見慣れないスキンヘッドが、
鉄と格闘している様子を
不思議そうな顔で遠巻きにしていた。

何日かすると恐る恐る近づいて来たひとりの少年がいた。
オレは身振り手振りで水が飲みたいと言うと、
彼は引き返すや家からヤカンとコップを持って戻ってきた。
すぐ後ろにはニコニコした子どもらがウヨウヨ湧いてきて、
やがて小さな男の子がオレの身体をよじ登り始めた。

扱いなど慣れてない子どもに囲まれ途方に暮れたオレは、
「オー」と叫びながら両手を掴んで
一人ずつ振り回していた。
子どもらはキャキャと、これまで出会ったことの無い
大きな異形に全身でぶつかってきた。

オレは子どもだからと言って容赦はしないけど、
子どもの直感力や想像力を甘く見たりもしない。

そんなオレが、今年2月から少年の物語を
半年間かかって書いた。

<走れUMI> 講談社刊 10月16日発売
1300円(税抜き) 



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2008-10-20-MON
KUMA
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