小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。

其の四拾八・・・・時間旅行


小林 「ついに完成したそうや!」
北小岩 「これで人類最大の夢がかなうのですね!」

小林秀雄先生が尊敬する名士の一人に、
嗚陰博士(あいんはかせ)がいる。
ついに博士は、人類史上初めて
タイムマシンを発明したのだ。
小林 「タイムマシンをつくるのに重要なのが
 ワームホールや。
 ワームホールというのは、
 強い重力場にできた時空のトンネルで、
 そこがこの世界と他のもう一つの世界を
 結んでいるんや。
 博士は量子的に
 巨大なワームホールをつくって安定させ、
 光速近くで移動するマシンを
 開発したというこっちゃ」
北小岩 「先生はそんな高度な物理学にも
 造詣が深いのですか!」
小林 「いや、俺の頭で理解できるのは
 アスホールまでや。
 とにかく嗚陰博士のとこに行ってみよか」
小林先生と弟子の北小岩くんが
博士の研究所に到着すると、
博士はまさにタイムマシンに乗り込むところだった。
小林 「博士、マシン完成おめでとうございます!
 ところで博士は、何時代を目指すのですか?」
博士 「おお、小林くんか。
 いいところに来てくれた。
 僕は絢爛豪華な元禄文化に
 惚れ抜いているからな。
 江戸時代を旅してくるわ。
 僕がOKサインを出したら
 そのレバーを手前に引いてくれ。
 ふう〜、だんだん興奮してきたわ」
博士がサインを送る。
小林先生がレバーを引くと、
マシンが閃光に包まれた。
だが、この時ささやかな異変が起きた。
興奮しすぎた博士が、
思わず勃起してしまったのだ。
北小岩 「光が遠ざかっていきます。
 あれっ?博士がまだいらっしゃいます!」
小林 「う〜む、やっぱりそうか。
 博士は移動の一瞬前に股間を膨らませた。
 そやからその部分だけ質量が変わってしまった。
 ようく見てみい。
 博士のアソコが空間になっているやろ。
 つまり、博士のちんちんだけが
 江戸時代にタイムトリップしてしまったんや」
北小岩 「なんと!」
・・・・・その頃、江戸城大奥では・・・・・・

「あれ、何かしら?」

「張り型のようですが・・・」

突如、空間に出現した博士のちんちん。
うら若き生娘が走りよってつかむと、絶叫した。

「おっ、大きくなりました!
 この張り型、生きてます!!!」

大奥美女三千人といわれた男子禁制の艶場である。
実際のところでも、
1000人近いなまめかしい女がうごめいていた。
将軍から寵愛を受ける者などほんの一部であり、
生身の男を知らずに一生を終える女もあまたいた。
匂いたつような若い体と情欲を
もてあましたおなご衆のただ中に、
本物のマロが舞い降りてきたのだ。
それからは、
着衣の裾をたくし上げての奪い合いになった。
博士 「ああ。いい。
 てっ、天にも昇るとはこのことだ。
 小林くん、僕は今までに
 こんなにすさまじい甘露を味わったことは
 な、あっ、ああっ、あああぁ〜〜〜〜!」
稲妻のような快感が、
三百年の時空を超えて
博士の股間にとどろきわたる。
鶯の谷渡りなどという甘っちょろいものではないのだ。
博士のイチモツは、入れ代わり立ち代わり
秘所におさめられ、激しく出し入れされている。
2時間で69人。
だが、それはほんの序章にすぎない。
この快感は休むことなく一生続くのだ。
あまりの気持ちよさに博士は
口をだらしなく開けて失神。
それを見ていた小林先生は耐え切れなくなり、
大声で叫んだ。
小林 「博士!私のちんちんにも
 タイムトリップさせてください!!」
かすかに気を取り戻した博士が、
息も絶え絶えにつぶやく。
博士 「こっ、小林くん。僕のマシンはまだ未完成だ。
 あまりに危険すぎる」
小林 「かまいません!」
博士の忠告も聞かずに、
タイムマシンに乗り込む小林先生。
小林 「さあ、北小岩。そのレバーを引くんや!」
先生の気合に飲まれた北小岩くんが
レバーを引くと、マシンが再び閃光に包まれた。
先生は思いっきりスケベなことを考え、
その部分を屹立させようとした。
だが、緊張のために半起ちがせいぜいだった。
光が遠ざかり、その場に残った小林先生は
パンツの中をのぞき込んだ
小林 「あっ!」
北小岩 「どうされました?」
小林 「ちっ、ちんちんが残っとる・・・!
 だが・・・・」
小林先生は完全に起ちきれなかったため
質量が下部にかかり、
陰毛だけが江戸時代にタイムトリップしてしまったのだ。
先生の陰毛など汚らわしいゴミとして、
すぐに燃やされてしまうだろう。

陰毛を失った先生は、
ちんちんのまわりだけが
子供のように若返ってしまった。
自分のカメを助けることもできない、
まぬけな浦島太郎がそこにいた。

2001-03-11-SUN

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