ざっざっ
東から大勢の者がやってくる。
ざっざっざっ
西からも大勢の者がやってくる。
ざっざっざっざっ
南からも北からもやってくる。
がやがやがや
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| 北小岩 |
「ついに性器の日が
やってまいりましたね」
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| 小林 |
「そやな。
と言いたいところやが、
おまえわざといやらしく
字を間違えたやろ」
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| 北小岩 |
「申し訳ございません。
世紀の日でございました」
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| 小林 |
「うむ。
今日は町の男全員が集まるんやな」
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いったい何が行われるのであろうか。
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| 北小岩 |
「ノーベル賞級だと
うかがっておりますが、
どういうことでしょうか」
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| 小林 |
「わからん」
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「我が町の学者が
とてつもない効果について
仮説をたてたのですよ」
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| 北小岩 |
「あなた様は
効果に詳しい方ですね」
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効果に
詳しい
方 |
「そうです。
学者が考案したのは
バタフライ効果の応用です」
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| 北小岩 |
「ブラジルでの
一匹のチョウチョさんの羽ばたきが、
テキサスで竜巻が起こる
一助となり得るというものですね」
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効果に
詳しい
方 |
「そうです。
それを応用した
ある結論にたどり着いたのです」
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| 小林 |
「ケツ論というくらいやから、
ケツの穴やろ」
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効果に
詳しい
方 |
「さすが先生ですね！
町の男全員が
ケツの穴を固く閉じた後、
かけ声に合わせて一気に開きます。
チョウが一匹羽ばたくよりも、
とてつもない量の風が吹くでしょう。
『アスホール効果』と名付けました。
この町の男全員で行なってみるのは
まだ実験段階で、
ゆくゆくは
世界約８０億人同時に
肛門を開く計画をしています」
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| 北小岩 |
「どうなるのでしょう？」
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効果に
詳しい
方 |
「信じられないほど
巨大な竜巻が
宇宙に向かいます。
星々は実は恥垢のように
表面に垢がたまっているのですが、
それが竜巻によって一掃され
星々は輝きを増すでしょう」
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| 北小岩 |
「凄いでございます！」
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星々に恥垢のようなものが
たまっているかどうかも定かではない。
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| 司会 |
「ではみなさん、
パンツを脱いで
お尻を空に向けてください」
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ずりずり
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| 小林 |
「俺たちも準備せんとな」
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ぱらっぱらっ
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| 司会 |
「では肛門を閉めてください。
渾身の力で
オープ〜〜〜ン！！」
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ぶりっ ぶりっ
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| 小林 |
「しまった！
いきみ過ぎて
実が出てしまった！！」
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| 北小岩 |
「わたくしもです！」
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師弟だけではなく
多くの者が漏らしてしまった。
竜巻は起こらず
とてつもない量の臭気が漂っただけであった。
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町の学者は国際的な科学雑誌・ネーチャーや
サイエンス、また日本ではニュートンなどに
取り上げられて羽ばたこうと狙っていたのだが、
取り上げてくれたのはニュートンではなく、
町のいかがわしいタブロイド紙
「乳輪（ニューリン）」だけであった。 |
