KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百弐拾参・・・誤伝

とぼとぼ

北小岩 「今日はやることが
 何もありませんね」

とぼとぼとぼ

北小岩 「むっ!
 もしかするとわたくしは、
 暇の割れ目に
 入ってしまっているのかも
 しれません!」
小林 「お前、昼間っから
 姫の割れ目に入るなどと
 超ド級のいやらしいことを
 叫んどるんやない!」
北小岩 「あっ、先生。
 姫の割れ目ではなく
 暇の割れ目と」
小林 「そんなことはどうでもええ。
 調べ物があって図書館まで行くが
 一緒に来るか」
北小岩 「かしこまりました」

師弟は図書館の肛門から中に入った。

北小岩 「ところで先生の調べ物というのは
 どのようなことでございますか」
小林 「海外などから
 スポーツが伝来してきた時、
 我が町だけ妙なことに
 なってしまったらしいんや」
北小岩 「どういうことでしょう。
 さっぱりわかりません」
小林 「俺もようわからん。
 ともかく町の歴史を
 紐解いてみるんや」

二人は特別に、
眠っている資料の部屋に通された。
 
ごほん ごほん

小林 「埃がたまっとるな」
北小岩 「そうでございますね。
 え〜と、なになに。
 『日本にベースボールが伝来した時、
  我が町にだけ誤って伝わりました』」
小林 「いきなり核心に来たな。
 その先はどや?」
北小岩 「『ベースボールは
  バットを手に持って打ちますが、
  我が町に伝わったのは
  【ペニスケース・ベースボール】
  でした』」
小林 「なんやそれは!」
北小岩 「『ペニスケースを
  いちもつに装着し、
  それを振り回して
  硬い玉を打つのです。
  玉は鋼鉄でできてます』」
小林 「そんなことをしたら
 チンチンがいかれてしまうで!」

北小岩 「『多くの男が不能になりましたが、
  今の長老のお父さんが
  ペニスケース・ベースボールを
  町技にしたため、
  それからもチンチンを
  破滅に追い込む競技は
  続いてしまいました。
  町の人々が間違いに気づいたのは
  50年後でした』」
小林 「50年も気づかなかったんかい!
 他はどや?」
北小岩 「『空手も間違って伝わりました。
  それは【金玉空手】と呼ばれ、
  女が男の金玉を
  つま先で突き刺すように蹴り上げる、
  または鉄拳で
  えぐるようにつぶすなどの技だけに
  特化したものです。
  好評であったため、
  女の町技として
  今も切磋琢磨されています』」

ぶるぶる がくがく

師弟は震えが止まらなくなった。
幾度も金玉空手の有段者から金玉攻撃を受け、
首の皮一枚、もとい玉袋の皮一枚で
ぶら下がっている状態なのである。

スポーツや武道が誤って伝来してしまうことほど
恐ろしいことはない。
世紀(性器)の大誤算というべきであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2022-06-12-SUN

BACK
戻る