KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百拾八・・・巨大

小林 「今日で
 ゴールデンボールウイークも
 終わりやな。
 何かええことあったか」
北小岩 「まったくない上に、
 わたくしたちの金玉が
 亡き者にされそうになりました」

師弟は先週
きんたまホイホイに金玉を捕らえられ、
とれてしまった玉を
男鯉のぼりにつけられたのである。

北小岩 「奪還寸前、
 突風で鯉のぼりが
 飛んでしまいました」
小林 「さらにやっと追いついたと思ったら
 トンビが金玉をくわえて
 飛んでいってしまったな」
北小岩 「先生は
 通りすがりの子どもが持っていた
 玉子パンを奪い、
 トンビに
 『金玉よりも玉子の方がおいしいから
  交換しよう』と交渉したのでした」
小林 「ぎりぎりのところで
 取り返したな」
北小岩 「あと数分遅かったら
 わたくしたちの金玉は
 永久につかなくなっていました」

師弟の金玉などなくなっても
大勢に影響はないが、
そんなどうでもいいドラマがあったとは
驚きである。

小林 「ゴールデンボールウイークの
 ラストぐらい
 のんびり過ごしたいと思ったんやが」
北小岩 「また貼り紙がございましたね」
小林 「うちの長老と隣町の長老が、
 ゴールデンボールウイーク最終日に
 とてつもないものを用意して
 楽しませてくれるそうや」
北小岩 「気が重いですね」
小林 「長老が絡むと
 ろくなことがないからな」
北小岩 「うちの長老さまもくだらないですが、
 隣町の長老さまも
 双璧と言われております」
小林 「くだらなさBIG2の企画や」
北小岩 「危険なものを感じます」

町境に行くと
すでに多くの人が集まっていた。

司会 「ゴールデンボールウイークも
 本日ジ・エンド。
 そこで二つの町の長老が
 英知を結集し、
 誰も見たことのないマシンを
 呼んでくれました」

ゴーーーーー! ゴーーーーー!

小林 「なんや!
 あれは」

とんでもなく巨大で妙な車が、
町境を猛スピードで走ってくる。

司会 「これぞまさに宇宙一!
 10万人の大便を吸引した
 バキュームカーです!!」
小林 「げげっ!
 タンクから太いホースが
 10本出とるで」

ゴゴゴゴッ

司会 「むっ!」

グバグバグバ

司会 「バキュームカーの様子が変です!
 みなさま、
 ただちに避難してください!!」

びじょ〜 びじょ〜 びじょ〜

北小岩 「ホースから
 大便が噴き出してきました!」

んごんごんご んごんごんご

小林 「タンクから妙な音がせんか」
北小岩 「もしかすると
 爆発するのではございませんか」

どかどか どっか〜ん!

べちょ べちょ べちょ べちょ

小林 「うお〜〜〜!
 臭え〜〜〜!」
北小岩 「10万人分の大便が
 火山の噴火のように
 飛び散っております!」

ゴールデンボールウイーク最終日に現れた
超巨大バキュームカー。
果たしてそんなものを呼ぶ意味は
あったのであろうか。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2022-05-08-SUN

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