KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百拾七・・・黄金週間

小林 「ついに来てしまったな。
 この期間、男は命がけや」
北小岩 「町議会の決定は
 絶対ですからね」

いったい何が決まったというのだろう。
時計の針を数日戻してみよう。

小林 「ええ天気やな」
北小岩 「お花が
 咲き誇っておりますね」
小林 「あれは『ジャーマンアイリス』。
 あそこは
 『ニオイバンマツリ』やな」
北小岩 「えっ?
 『匂うパンティ祭り』ですか」
小林 「かなり蠱惑的な名やが違うな」
北小岩 「わたくし、
 今の時季のお花ですと
 ツツジやマーガレットしか
 存じません」
小林 「俺ぐらいモテると、
 おなごと奥深く
 花の会話もできんと話にならん。
 まあ、お前には必要ないけどな」
北小岩 「さすが先生でございます!」
小林 「むっ、
 あそこに貼り紙がある」
北小岩 「嫌な予感がいたします。
 え〜と。
 『ゴールデンウイークを
 ゴールデンボールウイークとし、
 その期間ダサいヤツの金玉は
 好きにしていいことが
 町議会で決まりました。
 よかったね!』」

師弟は青ざめた。

時計の針を今に戻す。
ついに来てしまったというのは
そういうことなのだ。

小林 「用心せんと玉を失うことになるで」
北小岩 「あれ?
 わたくしの玉が変です」

ぐぐぐ〜

北小岩 「どこかに
 引っ張られていくようです」
小林 「俺のもや」

ピタッ

北小岩 「しまったでございます!
 『きんたまホイホイ』に
 くっついてしまいました!!」
小林 「俺のもや」

きんたまホイホイとは、
金玉が好む女性の
フェロモン(通称エロモン)によって
おびき寄せ、
玉を捕らえて離さないのである。
その上恐ろしいことに・・・。

北小岩 「玉が二つとも
 とれてしまいました!」
小林 「俺のもや」

びゅん

小林 「きんたまホイホイが
 逃げてくで!!」

きんたまホイホイはポールを上がっていき、
先生と北小岩くんの玉は
鯉のぼりにつけられてしまった。

議会で女性議員が
「男の鯉のぼりに
 金玉がついていないのはおかしい!」
と言い出し、鯉のぼりの股間? に
生の金玉をつけることになったのだ。

小林 「このままじゃ、
 ええ女と気持ちええことをする時に
 役に立たなくなってしまう。
 ポールに登って取り返すんや!」
北小岩 「かしこまりました。
 よいしょ、こらしょ。
 お父さん鯉の金玉はわたくしの。
 子ども鯉の金玉は先生の。
 大きさからいえば
 当然でございます。
 さあ、もう少しでございます」

びゅっ ひらひらひら〜

北小岩 「あっ、強風で
 お父さん鯉と子ども鯉が
 ポールから外れ、
 飛ばされてしまいました!」
小林 「俺たちの玉が〜〜〜!」
北小岩 「待ってください〜〜〜〜〜!」

先生と北小岩くんの金玉の運命やいかに。
それにしても先生の町の議会は、
こんなことばかりを決めているのでしょうか。
実はそうなんです。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
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2022-05-01-SUN

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