KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百拾壱・・・エコ

北小岩 「桜が咲き始めておりますね。
 あと10日ぐらいで
 マン開きでしょうか」
小林 「お前も趣のある言葉を
 使うようになったな」
北小岩 「ありがとうございます!」

満開をわざとマン開きという。
それのどこに趣があるというのだろう。

小林 「むっ!
 あそこを見てみい」
北小岩 「高札が立っております」
小林 「嫌な予感がするな。
 なになに。

 『定 我が町は
  日本有数のエコな町であるのう。
  とは言っちゃってるもんの
  大便したあと水使い過ぎじゃないか』」
北小岩 「『だもんだからこれからは
  大便後は水を使わずに
  自力で流すこと。
  もちろん自力とは
  自分の小便の水勢で
  大便を流すことにあるのことよ』」
小林 「『それができなかった場合は
  ヤバい。
  長老より』・・・」

しばらくすると各家庭に
ガリ版刷りのこきたない紙が配られた。

北小岩 「なになに。

 『大便をする3時間前に
  水10リットル飲むこと。
  そこから3時間、
  大便の天然洗浄のために
  おしょんしょんを我慢すること』。

 長老は小便のことを
 おしょんしょんと
 言っているようです。
 かなり気持ち悪いですね」
小林 「長老はとてつもなくくだらない。
 だが、
 やることはいちいち真剣や。
 困ったもんやが
 この紙に従った方がよさそうやな」

師弟は長距離散歩が趣味のため
公衆トイレを使うことが多い。
翌日の散歩中、大便意を催した二人は個室に。

ブリッ
ブリッ
ジョジョジョジョ〜
ジョジョジョジョジョ〜

大便後に小便で流そうとする二人だったが。

北小岩 「先生いかがでございますか」
小林 「もう少しやが
 まだ大便のケツが見えとる。
 お前はどや」
北小岩 「かなりいい線までいっております」

ジョボジョボ ビュッ!!

スッ

北小岩 「やりました!
 姿かたちがなくなりました!!」
小林 「そうか。俺も」

ポトッ ポトッ ポ

それが最後の一滴だった。

ウィーン

小林 「ヤバい!
 大便に変な振動が加えられとる!!」

ウイウイウイ ビチァッ!!!

小林 「うお〜〜〜!
 大便がフン砕され
 ケツが糞まみれに
 なってしもうた!」

ビュン

小林 「あっ!
 トイレットペーパーが
 壁に格納され
 使えなくされた〜〜〜!」

拭くこともままならず、
汚すぎるケツをどうすればいいのだろう。

ともかくいえることは、
現在のトイレは大を流すのに
5リットル以下の水しか
使用しない設計ということです。
つまり小便で流すためにいちいち
10リットル飲むのでは、
まったくエコにはなっておりませんね。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2022-03-20-SUN

BACK
戻る