KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百八拾・・・海洋生物

小林 「今年も海水浴が
 ままならんな」
北小岩 「残念でございます」
小林 「俺たちの夏の海には、
 様々なドラマがあるからな」
北小岩 「3年前、海水浴中に
 先生のふんどしが
 流されましたね」
小林 「俺は一張羅が流され、
 犬かきで追いかけた」
北小岩 「そしてそのまま
 沖に流されてしまったので
 ございます」
小林 「ところが溺れかけた時に
 イルカに出会ってな。
 何とかまたがって
 戻って来たんやな」
北小岩 「奇跡でございます。
 たまたま砂浜には、
 夏の海の取材に来ていた
 報道陣がいらっしゃいました」
小林 「そこに
 『イルカに乗った少年』
 のごとく俺の登場や」
北小岩 「しかし、先生は
 溺れそうになった恐怖が
 緩んだ安心感から、
 ふるちんでイルカに乗ったまま
 小便を垂れ流してしまいました。
 翌日の地方紙には
 『イルカに乗った少年』ではなく
 『イルカに乗って小便』の
 見出しが躍り、
 先生は思いっきり
 叩かれたのでございます」

灼熱の日が続くのに、
こんなくだらない話を聞いている暇はない。

小林 「そういえば
 顔が海水に浸ってしまった時、
 見たこともない生物が
 たくさんいた気がしたな」
北小岩 「それはとても気になります」
小林 「海洋生物の研究者に
 聞いてみるか」

二人はちんちんに指で「うみ」と書き、
そのこそばゆさを原動力に
海洋生物研究者の
『満開筋男(まんびらきすじお』氏を訪ねた。

北小岩 「むっ!
 柱にいやらしいものが
 ついております」
小林 「あわび呼鈴や。
 『ここに指を這わせてください』と
 書いてあるな。
 北小岩、這わせてみい」
北小岩 「かしこまりました」

にゅるしゅ〜

「まんびらき〜」

中から陽気な研究者が飛び出してきた。

小林 「ひさしぶりやな」
満開 「先生じゃないですか」
小林 「ちょっと聞きたいんやが、
 3年前に
 海で溺れそうになった時、
 海中で
 アリクイのような舌を持った
 コバンザメを見たんや」
満開 「それはコバンザメの新種で
 『オマンナメ』ですね」
小林 「なんや! それは」
満開 「もともと
 コバンザメだったのですが、
 スケベ方向に
 進化を遂げたのです。
 水着の女性の太ももにくっつき、
 そこから60cmある舌を出して
 秘所を舐めようとします」

北小岩 「あまりにいやらしすぎます!」
小林 「それから
 ハマグリみたいな貝が
 俺の乳首に近づいてきたんやが、
 間違えたという表情で
 どこかに行ってしまった」
満開 「なるほど。
 それはハマグリが進化した
 『マサグリ』ですね。
 ビキニの胸を狙って
 入水管と出水管を伸ばし、
 乳首をまさぐろうとします。
 他にもホッキガイが進化した
 『ボッキカイ!』という
 驚きの新種もおりますが、
 それはとりあえず
 置いときましょう」


先生の周囲に集う進化した海洋生物は、
ろくでもないものばかりのようだ。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2021-08-15-SUN

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