KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百六拾伍・・・背中

「いち、に、いち、に」

町のいたるところで、カラダを鍛える声がする。

「さん、し、さん、し」

「ちん、げ、ちん、げ」

「まん、げ、まん、げ」

不穏当なかけ声が混ざった。
声の主に目をやると。

北小岩 「今日は
 年に一度の日でございますね」
小林 「そやな」
北小岩 「毎年長老が
 テーマをお決めになるのですね」
小林 「今年は『背中の日』や」

やはりチンカス師弟だった。

北小岩 「みなさま、
 背筋と太ももを
 鍛えておりますね」
小林 「長時間重いものを
 背負うヤツもおるからな」

先生の町では年に一度、
お自慰さんと呼ばれる長老が
気まぐれで何の日かを決める。

背中の日・・・。
今日一日自分にとって
一番大切なものを背負って過ごすのである。

北小岩 「向こうから
 町一番のモテ男さんが
 いらっしゃいます」
小林 「背中に
 十人美女を括りつけとる」
北小岩 「♪親亀の背中に子亀をのせて〜
 のようでございます」
小林 「ヤツはちゃらいと思っとったが、
 尋常ではなく鍛えとるな」
北小岩 「わたくしは
 先生からいただいた
 大量のエロ本を
 本棚に入れて背負います。
 よっ!」

ばた〜ん

北小岩 「おっ、
 重過ぎるでございます!」

弟子はひっくり返った亀のようになり、
首を伸ばしたり縮めたりの抵抗を試みたが
起き上がれず、その姿は亀頭のようだった。
 
小林 「俺のお宝はこれや!」

そこには懇意にしている社長からもらった
大理石のスケベ椅子があった。

小林 「気合を入れていくで。
 よっ!」

グキッ!

ばたっ。

小林 「うっ!
 腰が!!」


先生は重度のぎっくり腰により、
背中にスケベ椅子をつけたまま
起き上がれなくなった。

背中の日・・・。
おかあさんや恋人への
愛情を示すのかと思いきや、
この町の男たちの下等さを
際立たせただけであった。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2021-05-02-SUN

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