KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百伍拾伍・・・家紋

さっさっ

北小岩 「先生の書斎をお掃除するのは
 ひさしぶりでございます。
 エロ本コレクションが
 溜まり過ぎて、
 本棚が傾きかけております」

みしみし

北小岩 「いやな予感がいたします」

ばりばり

北小岩 「あっ!
 本棚が崩壊し
 エロ本が襲ってまいります!
 痛いでございます〜〜〜!」

欲にまみれたエロ本の下敷きに。

北小岩 「美女たちの肉布団で
 窒息するならともかく、
 大量のエロ本で
 生き埋めになりました」

もぞもぞ

何とかエロ本の山から這い出ると。

北小岩 「むっ、
 この三枚の紙切れは
 なんでございましょうか。
 家紋が描かれております」

じ〜い

北小岩 「一枚目は『織田木瓜紋』。
 先生のこ汚い字で
 『小林家の家紋は
  信長と同じだろう』と
 書かれております。
 そうなのでございますか!」

ぱらっ

北小岩 「二枚目の紙には『五三桐紋』。
 やはり先生のこ汚い字。
 『小林家の家紋は
  秀吉と同じもあり得る』」

ぱらっ

北小岩 「三枚目は『丸に三つ葉葵』。
 家康さんの紋でございます。
 『小林家の家紋は
  家康と同じも有力』」
小林 「なぜエロ本の海で泳いどるんや。
 相変わらずどすけべやな」
北小岩 「あっ、先生。
 本棚が崩壊し
 エロ本の雪崩に
 巻き込まれたのです。
 それはそうと、
 先生の家系は信長さん、
 秀吉さん、家康さん、
 いずれかにつながる
 武将の出なのですか」
小林 「当然そうやな。
 しかし、三武将のうち
 誰もが可能性があってな。
 今、町の家紋研究家に
 考証させとるんや。
 お前は小林家は
 どの武将と思うか?」
北小岩 「そうでございますね。
 先生は
 しょうもないところばかりで
 ございますが、
 冷徹ではございません。
 うじ虫さんやゲジゲジさんなど
 嫌われがちな虫たちには
 とてもやさしいです。
 したがって信長さんはないかと」
小林 「うむ。
 秀吉はどや」
北小岩 「先生には
 秀吉さんのような知恵もなければ、
 心配りもございません。
 そう考えますと
 秀吉さんもないかと」
小林 「となると家康やな。
 俺も実はそうではないかと
 睨んでおった。
 小林300年の栄華や」
家紋
研究家
「先生!」
小林 「おお。
 わかったんか!
 見せてみい」

ばっ

家紋研究家が紙を広げる。
小林 「なんやこれは!
 徳川の家紋やない。
 ケツの穴そのものやないか!」
家紋
研究家
「様々な文献、口伝、
 その他をあたった結果が
 こちらです。
 小林家の家紋は
 『葵の御紋(あおいのごもん)』
 ではなく
 『臭いの肛門
  (くさいのこうもん)』でした」
北小岩 「なんと!」


葵の御紋(あおいのごもん)と
臭いの肛門(くさいのこうもん)。
どことなく響きは似ているが、
家格からいえば天地ほどの差があるであろう。

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2021-02-21-SUN

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