KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の八百拾九・・・名刺交換


ざっざっ

北小岩 「ビジネスマンたちが
 通り過ぎます」

ぴしっ

北小岩 「高額なスーツを
 着こなしていらっしゃいます」

どよ〜ん

北小岩 「わたくしも
 どこかのタイミングで
 大いなる一歩を踏み出せば、
 国際的なビジネスマンに
 なっていたのでしょうか。
 今からでも
 遅くはございません。
 大いなる一歩を
 踏み出すのです!」

ザッ ぐにゅ〜〜〜

北小岩 「あっ!
 巨大な犬の糞に
 踏み出してしまいました」
小林 「お前何しとるんや」
北小岩 「あっ、先生。
 わたくしも
 国際人としての一歩を
 踏み出そうとしたら、
 糞に踏み出して」
小林 「見事に糞砕されたわけやな」

いずれにせよこの師弟には、
国際的など縁遠いであろう。

小林 「近頃、
 会社員の名刺が
 変わってきとるらしい」
北小岩 「そうなのでございますか」
小林 「俺のダチの名刺評論家が、
 ビデオを見てくれいうんや。
 行ってみよか」

二人が名刺評論家の家を訪れると。

名刺
評論家
「よくいらっしゃいました。
 それではビデオを」

ガチャッ ぎゅ〜ん

「ああん、いや〜ん。
 そんなとこ攻めないで〜」

名刺
評論家
「間違えました。
 こちらをご覧ください。
 今、ビジネスの世界では
 自分のおちんちんと同じ大きさ、
 形の紙名刺が
 トレンドになっています。
 まずは
 グローバルカンパニーに勤める
 自信満々のビジネスマンが
 女性と名刺交換している
 ところです」
自信
満々の
ビジネ
スマン
「大きな会社の大きなチンポ。
 どうだ」
ビジネ
スウー
マン
「そんな高慢(コーマン)な男
 嫌いよ!」

ビリビリッ

自信
満々の
ビジネ
スマン
「ああ・・・」

名刺
評論家
「己の大きさと同じ大きさ、
 形の名刺を破られる。
 男にとって
 こんな屈辱はございません」

次に出てきたのは、
弱小会社に勤める謙虚な男。

弱小
会社に
勤める
謙虚な
「小さな会社の
 小さなチンポです。
 ごめんなさい」
ビジネ
スウー
マン
「あなたみたいな謙虚な人
 好きよ」

なでなで〜

小さなチンポ名刺をなでだした。

一見美談のように聞こえるが、
そもそもこんな名刺が
トレンドになっているわけはないであろう。
 

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2020-06-14-SUN

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