KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百六拾六・・・布団屋さん

すやすや

峠道に倒れているお地蔵様のような顔で
眠っているのは、弟子の北小岩くんであった。

むくっ

股間が膨らんだようだ。

北小岩 「うひひひ」

顔がにやけている。
確実にいえることは、
性夢を見ているということだ。

ぱらぱら

カラダから何か落ちたようである。

はっくしょん

だらりん

性夢は終わった。

北小岩 「目が覚めてしまいました。
 性夢が心の銀幕に
 映し出されて
 いたのですが・・・。
 あっ、わたくしの布団が
 落ちております」

布団であって布団でない。
つまり北小岩くんと先生は、
所持金が2円ずつしかないため
掛布団を買えず、
木の葉を集めてきて
カラダにのせて寝るのである。

北小岩 「すぐにカラダから
 落ちてしまうのです。
 スースーしてしまいます」

小林 「お前、朝っぱらから
 女性の秘所を
 スースーしたいと
 いったな」
北小岩 「先生、違います。
 布団が落ちて
 起きてしまったのです。
 どうにかなりませんか」
小林 「布団屋にいけば
 いらなくなったものを
 くれるかもしれん。
 行ってみよか」

二人は町はずれにある店に入っていった。

女性
店員
「今、最先端技術を駆使した
 布団の見本が届きました。
 ある恥ずかしいところに入った
 感触を味わえる布団です。
 お試しになりませんか」
小林 「聞いたか」
北小岩 「はい」
小林 「恥ずかしいといえば、
 あそこしかないな」
北小岩 「間違いございません」
小林 「俺からイクわ」

先生が穴状の布団に入ると
カラダが締め付けられ、
身動きがとれなくなった。

女性
店員
「カラダ全体が
 おしりの穴に
 入った感触を味わえる
 肛門布団です」
小林 「なにっ!」

時すでに遅し。
先生は穴の中に顔まで入っている。

小林 「押し出されそうで
 押し出されない
 嫌な感触や!」
女性
店員
「スイッチオン!」

もわもわ

小林 「くっ、臭え!
 大便の臭いや」
女性
店員
「臭いアップ!」

もわもわもわもわ

小林 「臭いにもほどが・・」

先生は肛門布団の中で気を失った。

こんなしょうもない布団でも、
世界のどこかに
買う人がいるのかもしれませんね。

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2019-06-09-SUN

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