KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百弐拾壱・・・移動術

ギ〜コ〜 ギ〜コ〜

北小岩 「どなたかやってまいりました」

ガタッ

北小岩 「わたくしたちに、
 幸を運んできた気がいたします」

「郵便で〜す」

北小岩 「ごくろうさまでございます」

「どういたしまして」

北小岩 「え〜と」

ビリビリビリ

北小岩 「これは!
 先生〜」
小林 「なんや。
 全国ストリップツアーの
 招待券でも届いたか」
北小岩 「そうではないのですが」
小林 「そうか・・・」

肩を落とす。

北小岩 「友人から
 町のプールの招待券が
 届いたのでございます」
小林 「なに!」
北小岩 「女性のビキニ姿を
 拝むことができます」
小林 「さっそく進軍や!」

二人は水着を持っておらず、
拾った缶をちんちんに装着し
ひもで固定するというギリギリな姿で
プールに現れた。

小林 「女たちが注目しとるな」

北小岩 「わたくしたちの肉体を
 求めているに、相違ございません」

そんなことは何十キロも続く海岸線に埋もれた
一本の短い陰毛を、一発でさがしあてるぐらい、
あり得ないことであろう。

「ねえちゃんたち、付き合えよ」

北小岩 「ナンパされている女性が
 困っておりますね」

その刹那

ビュンビュン ザッ

「うわ〜!」

小林 「ナンパしとるヤツの
 海パンが下がり、
 ちんちんが丸見えや」

「お前ら女性にイチモツを見せて、
 ただですむと思ってるのか!」

警備員の怒声が響き、すぐに警官が駆けつけた。

小林 「わけがわからんが、
 ナンパ野郎二人は
 しょっぴかれていったな」

実はこういうことなのである。
先生の町には、人の目ではとらえられないほど
素早い移動術をみにつけた
忍者のような女性がいる。
その人が、女性にちょっかいを出す悪いヤツらが
逮捕されるように、
海パンを下げて開チンするようにしたのだ。

女性の存在を知る人はほとんどいない。
先生の町の悪いヤツらは、これからもたびたび
公然わいせつ罪で逮捕されることになるだろう。
 

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2018-07-29-SUN

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