KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百拾九・・・恐るべき男

北小岩 「久しぶりに
 ラグビー観戦しておりますが、
 凄まじい迫力でございますね」
小林 「スクラムになったな。
 男たちの力勝負や」

グググッ

小林 「町のチームが
 押しとるな」

ググググッ

北小岩 「押し返されました」

ズルズル

小林 「後退しとるな。
 それにしても隣町チームの
 一番前のヤツ、
 ずば抜けた巨漢やな」
北小岩 「あんな方に
 タックルされたら、
 ひとたまりもございません」
小林 「恐るべき男や」
北小岩 「我が町のチームには、
 恐るべき方は
 いらっしゃらないのですか」
小林 「何十年か前にはおったな」
北小岩 「どのような方か
 お聞かせください」
小林 「物凄く小さい
 スクラムハーフやった」
北小岩 「小柄なスポーツ選手は、
 敏捷性に
 優れておりますよね」
小林 「そやな。
 スクラムから自軍に
 ボールが出ようとした
 瞬間や。
 ヤツは相手の
 スクラム後ろに
 まわりこんだ」
北小岩 「えっ?
 それではボールが
 取れないでは
 ございませんか。
 なぜですか」
小林 「スクラムを組んでる
 フォワード全員に、
 鋭すぎるカンチョ—を
 見舞ったんや」

北小岩 「げげっ!
 どうなりましたか」
小林 「強烈過ぎて、
 大半が大便を
 漏らしてしまった」
北小岩 「大半でない方は」
小林 「屁が止まらんようになった」
北小岩 「それは
 恐ろしいことでございます。
 反則にならなかったのですか」
小林 「町対抗ラグビーからは
 追放になったな」
北小岩 「その後どうされたのですか」
小林 「『おしり人』と呼ばれ、
 悪いヤツらを見かけると、
 カンチョ—をかましたな」
北小岩 「正義の味方に
 なられたのですね」
小林 「そうとばかりは言い切れん」
北小岩 「と申しますと」
小林 「たまに気まぐれで、
 すれ違いざま
 カンチョ—をしてしまう
 クセがあったんやな」
北小岩 「恐ろしいことでございます」


町で一番恐れられた男・・・。
彼のカンチョ—を受け、
屁が止まらなくなってしまったら、
日常生活にも支障をきたすであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2018-07-15-SUN

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