KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百六・・・天国

あおあおあお〜

小林 「完全に葉桜になっとるな」
北小岩 「はい」
小林 「隅の方に、
 花びらが溜まっとるな」
北小岩 「はかなげでございます」

ひゅ〜

北小岩 「むっ。そうでございます!」

弟子は花びらのもとに駆け寄った。

北小岩 「たくさん集めましょう」
小林 「どうしたんや」
北小岩 「わたくし、
 よいことを思いつきました」
小林 「チンかすのような
 思いつきやろうが、
 言うてみい」
北小岩 「世の女性たちは、
 桜が散ってさみしい思いを
 しているのではないでしょうか」
小林 「うむ」
北小岩 「桜の花びらを
 わたくしたちの股間に
 貼り付けたらいかがでしょう」
小林 「女性らは、
 満開の股間に注目するやろな」
北小岩 「その奥のモノにも
 注目するのではないでしょうか」
小林 「でかしたな!」

師弟は必死に花びらを集めたが、
根本的にどうでもよい話であろう。

北小岩 「花びらの中で、
 だんご虫さんが
 亡くなっております」

小林 「はかないことやが、
 俺たちもいつかは
 天国に向かうんやな」
北小岩 「天国とは
 どのようなところでしょうか」
小林 「わからんが、
 天国について研究している
 知り合いがおる。
 行ってみよか」

二人は全速力で走ればもっと早く着くのだが、
あえて69分かけて
研究家・昇天逝男(しょうてんいくお)氏のもとへ。

北小岩 「天国について
 お詳しいと
 うかがっております。
 天国というのは、
 どういうところでしょうか」
昇天
逝男
「男女によって違いますが、
 肉体から抜けた男の魂は、
 天にある
 ミニスカートのもとへ
 参ります」
北小岩 「天にミニスカートが
 あるのでございますか!」
昇天
逝男
「あります。
 ミニスカートの
 そばまでは、
 誰の魂でもたどり着けます」
北小岩 「そこに閻魔様でも
 いらっしゃって、
 行く道を
 決められるのですか」
昇天
逝男
「閻魔様に近いのですが、
 エロ魔様という方が
 ミニスカートの中の
 パンティに
 ぶら下がっております」
北小岩 「そうなのですか」
昇天
逝男
「そうです。
 生前、エロ過ぎず
 女性にやさしかった人は、
 パンティの中に入れます」
北小岩 「エロ過ぎて
 女性に
 やさしくなかった方は?」
昇天
逝男
「ミニスカートから
 ずり落ち、
 便所で流されます」


先生は昇天氏の話を
今までにない真剣な表情で聞いていた。
先生はエロではあるが、モテなさ過ぎて、
現実にエロで女性を傷つける場面はなかった。
ああ見えて、やさしいところもある。
ゆえに、もしかしたら
パンティの中に入ることができ、
その先にあると思われる天国に
行けるかもしれないと思ったのである。

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2018-04-15-SUN

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