KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百九拾七・・・便器

ふぁ〜

小林 「暇やな」
北小岩 「そうでございますね」

ひゅ〜

ぶるぶる

小林 「寒い上に暇だと、
 寒さが倍増するな」
北小岩 「まったくでございます」
小林 「こんな日には
 ヤツの話が恋しくなるな」
北小岩 「訪れてみましょうか」
小林 「そやな」

ヤツというのは、隣町に住んでいる奴である。
名前も谷津という。

とんとん

北小岩 「こんにちは」
谷津 「あっ、先生と北小岩さん」
小林 「なんか面白い話はあるか」
谷津 「奇妙なことがありまして」

谷津氏は、今まで多くの
あり得ない体験をしている。

谷津 「便器なんですよ」
北小岩 「どういうことでしょうか」
谷津 「昨日、道を歩いていたら
 便器に出会ったんですよ」
北小岩 「えっ」
谷津 「便器は
 そのまま突進してきて、
 僕の脛にぶつかりました」
北小岩 「痛そうでございますね」
谷津 「骨が折れたかと思いました。
 それで怒鳴ったら、
 便器が怒ったので、
 思いっきり蹴飛ばしたのです」
小林 「ほほう」
谷津 「間髪を入れずに
 飛びかかってきました。
 思いの他強かったので、
 一目散に逃げたのですが、
 信じられないほどの俊足で
 追いつかれました」

北小岩 「どうなりました」
谷津 「やばいと思い、
 後ろの空を指さすと
 便器がそっちを見たので、
 そのすきに逃げました」
北小岩 「また
 追いつかれてしまったのでは
 ございませんか」
谷津 「今度はなぜか大丈夫でした。
 ところがホッとして
 角を曲がったら」
北小岩 「角を曲がったら?」
谷津 「便器が待ち伏せしていて、
 殴られました」
小林&
北小岩
「・・・」

谷津氏の話を、どうとらえればよいのか。
端的にいえば、どうでもいいお話ですね。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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postman@1101.comに送ってください。

2018-02-11-SUN

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