KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百六拾七・・・反対の世界

ギラギラ

小林 「油断しとったら、
 暑さが鎌首をもたげてきたな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「このまま夏に
 突入しそうやな」
北小岩 「先っぽだけということでは
 なさそうですね」
小林 「そやな。
 今年の夏は
 何かに似ている気がせんか」
北小岩 「え〜と。え〜と」
小林 「そんなに考えるほどのことか」
北小岩 「そうではございますが」
小林 「ヒントやるわ」
北小岩 「はい」
小林 「ち」
北小岩 「はっ!
 ちんぽでございます!!」

時にはましなことを聞けるかと思っても、
この二人の場合そうなることはない。
このことは、肝に銘じたほうがよいであろう。

北小岩 「むっ!」

弟子が路面の落書きに目を止めた。

北小岩 「いちもつのような矢印が
 描かれております」
小林 「やや気になるな」
北小岩 「矢印にしたがってみましょう」

矢印は点々と続いている。

北小岩 「あそこに占い師のような方が
 いらっしゃいますね」
小林 「どこか胡散臭いな」
北小岩 「話しかけてみます。
 お暇そうなところ、
 大変申し訳ございません。
 あなた様は」

「お二人は、
 今の生き方に限界を感じていませんか」

小林 「単刀直入に
 切り込んできたな」
北小岩 「確かにそう感じておりますが、
 どうすればよろしいので
 ございますか」

「反対の世界に飛び込むことです」

北小岩 「と申しますと」

「例えば何かをやめようかどうしようか、
 迷う時があります。
 そんな時、あなたならどうしますか」

北小岩 「徐々に減らして様子をみます」

「それではただ
 フェイドアウトしていくだけですね。
 そうではなく、やめようと思ったことを、
 今の10倍やってみるのです。
 そうすると、進むべき道が見えてきます。
 反対の世界に飛び込んでいくのです」

小林 「妙に説得力があるな。
 この男、本物かもしれん」
北小岩 「わたくしたちに、
 反対の世界を
 ご教示いただけませんか」

「私のいうことを迷いなく行えるのなら、
 お教えします」

北小岩 「それは大丈夫です」

「ではあなたはちんちんを出し、
 もう一人はお尻の穴を出してください」

師弟は素直にしたがう。

「そのままあそこの
 トイレに行きましょう」

二人は夢遊病者のように後を追う。

「反対ではない世界では、
 普段はちんちんを仕舞っていて、
 小便をする時にちんちんを出します。
 また、お尻の穴は仕舞っていて、
 大便する時にお尻の穴を出します。
 しかし、それでは限界があるでしょう。
 そうではなく、普段ちんちんを出していて、
 小便をする時にちんちんを仕舞うのです。
 そして、普段肛門を出していて、
 大便をする時に肛門を仕舞うのです。
 さあ、反対の世界に突入しましょう!」
 
ジャ〜! びしゃ

ブリッ! べたっ

小林&
北小岩
「うお〜!」

この人たち、アホですね。

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2017-07-16-SUN

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