KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の六百参拾六・・・瓦版

びゅ〜

北小岩 「強い風が吹いておりますね」

ばっ

北小岩 「確かに今、
 風がおちんちんに当たりました」

ごそごそ

北小岩 「わたくし、
 かなり神経過敏なところが
 ございます」

じ〜っ

北小岩 「大丈夫でございました。
 おちんちんの破損はございません」

びゅっ

北小岩 「風でふんどしが
 なびいてしまいました」

ちりんちりんちりん

北小岩 「しまったでございます!
 自転車にふんどしが
 からまったのですが、
 運転手が気付きません。
 一緒に走らねば、
 おちんちんに悪影響が
 出るかもしれません」

だだだだだ

自転車

運転手
「ん?
 何かに追われている気がするな」

だだだだだだ

自転車

運転手
「あっ、北小岩さんだ」

キキーッ

ぎゅぎゅん!

北小岩 「うわ!
 急に止まったので、
 ふんどしで金玉を
 締め付けられました」

くだらな過ぎるので、
この場面をこれ以上追うのは止めよう。
今日は金玉が締め付けられる話ではなく、
町の瓦版の話である。

「瓦版で〜す!」

北小岩 「ありがとうございます」

先生の町では、
週に一度無料で瓦版が配られる。

小林 「気になる話題はあったか」
北小岩 「三軒先の若山さん、
 三十年ぶりに
 朝起ちしたそうです!」
小林 「そうか!
 なぜか俺もうれしいわ」

北小岩 「それから
 角を曲がったところの羽木さん、
 今まではおちんちんが
 右に傾いていたのに、
 突然左に傾きがかわったそうです」
小林 「それは男にとって、
 ターニングポイントになるやろな」
北小岩 「池のそばにすんでいる大木さん、
 おちんちんを
 三カ月洗わなかったら、
 付け根のあたりに
 キノコのようなものが
 生えてきたそうです」
小林 「それは他人事やないな」

この町の瓦版には、
どうでもいいようなことしか載っていない。
しかし、それがほんの少しだけ
うらやましい気がしてしまうのは、
なぜだろうか。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2016-12-11-SUN

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