先生の町にはいくつか電車が通っている。
そのうちのひとつ、
簡単に言ってしまえば大したことないのだが、
町の人たちに深く愛されているものがあるという。
|
| 小林 |
「二両編成なんやな」
|
| 北小岩 |
「一両が男車両、
もう一両が女車両でございます」
|
車内の様子を見てみよう。まずは男車両。
|
| 男Ａ |
「いやらしいことを
考え続けるんだ！」
|
| 男Ｂ |
「鞄にえげつないエロ本が
入ってるから。
今見せるから。
がんばれよ！」
|
| 男Ｃ |
「もっと大きく！
もっと太く！！」
|
男車両側の連結器は、
おちんちんの形をしている。
ご想像の通り、
女車両の連結器は穴状になっている。
|
| 女Ａ |
「もっと締めるのよ！」
|
| 女Ｂ |
「感じすぎちゃだめ！」
|
| 女Ｃ |
「そうよ。
潤ってしまうと、
外れちゃうからね」
|
なんじゃそりゃと思うかもしれないが、
朝、連結器が外れてしまうと
ビジネスマンもＯＬも
会社に遅刻してしまうのだ。
|
| 小林 |
「もちろんそんな時には、
遅延証明書が出るんやがな」
|
| 北小岩 |
「とはいえ、
『中折れの為遅延』と書かれた
証明書をいただくのも、
女性には恥ずかしいことで
ございますね」
|
朝には美しい女性車掌さんのアナウンスが入る。
|
美しい
女性
車掌さん |
「今日も使うあてもないのに、
無駄な朝起ち
ごくろうさまでした」
 |
おちょくられている気もするのだが、
男たちは。
|
| 男Ａ |
「うむ」
|
| 男Ｂ |
「確かにそうだな」
|
| 男Ｃ |
「小便もしづらいんだよな」
|
各々うなずくのであった。
女車両にはイケメン車掌からのアナウンス。
|
イケメン
車掌 |
「みんな、
昨夜は寂しくなかったかい。
もし、ひとりっきりの夜を
過ごしているなら、
僕がチン貸するよ」
|
| 女Ａ |
「素敵ね！」
|
| 女Ｂ |
「私、今日チン貸して
もらおうかしら」
|
スポッ！
|
| 女Ｃ |
「あっ、
連結器が外れちゃったみたい」
|
| 女Ａ |
「ねえ、男たち。
何とかならないの！」
|
| 女Ｂ |
「そうよ！
だらしないじゃない！！」
 |
男たちはうつむいている。
そのような場面で責められると、
さらに委縮してダメになってしまうことを
知っているからである。 |
