KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百拾六・・・だらしない

「なあ、北小岩、
 お前俺が巨根だということは知っているだろ」

北小岩 「はい。
 一緒に銭湯に行った時、
 あなた様のイチモツが
 湯に浸かった刹那、
 お湯が大量にあふれた記憶が
 ございます」

北小岩くんにイチモツの自慢をしているのは、
あの恥垢先生ではない。
古くからの友人、太井マーラ氏である。
不思議な響きを持つ名前から
日系人かと思われるが、
真偽のほどは定かではない。

太井
マーラ
「そうなんだよ。
 番台の看板娘が、
 俺のイチモツを見て
 思わずブラのホックを
 外したぐらいなんだから」

まったくわけのわからない自慢となっている。

太井
マーラ
「それはそうとして、
 近頃異変が起きてるんだよ」
北小岩 「どうしたのでございますか。
 もしかするとブツが、
 ペットボトルのふたぐらいの
 大きさになってしまわれたのですか」
太井
マーラ
「そんなわけないだろ。
 そうじゃなくて、
 この間縁側で昼寝をしていたんだ。
 短パンだったから、
 もちろんイチモツははみ出ていたさ。
 くすぐったくて目を覚ますと、
 アリたちが群がって
 イチモツを巣に運ぼうとしてたんだ」
北小岩 「そうでございますか」

太井
マーラ
「以前だったら
 俺の大きさを恐れて、
 アリは近づかなかったんだけど・・・。
 このままでは、
 いつの日か巣に
 持って行かれるんじゃないかと思って」
北小岩 「それはあまりに危険でございます。
 こういう時は先生に。
 いえ、
 先生は己のものが貧根であるために、
 巨根の方の話をすると
 般若の形相になる恐れがございます。
 ここはわたくしが
 リーダーシップをとって
 解決に導かねば」
太井
マーラ
「頼むよ」
北小岩 「そうでございます。
 十数年前にわたくしが
 自暴自棄となり、
 自分のおちんちんに
 大きな石をぶつけようとした時に、
 それを止めてくださった
 ご老人がおりました。
 その方は、おちんちんに
 厳しい方なのですが、
 その反面おちんちんへの愛情を
 たくさん持っている方でした。
 氏のもとを訪れれば、
 何か光が見えるかもしれません」

二人は虫メガネで股間に光を集め、
煙が立ち上ったのを確認し、氏のもとへ。

北小岩 「いつぞやは危ないところを
 救っていただき、
 ありがとうございました」
おちん
ちんに
厳しい
老人
「あの時の若造か。
 何か用かの」
太井
マーラ
「実は僕は誰もがうらやむ
 巨根なのですが、
 近頃その巨根を
 盗もうとするやつらがいて」
おちん
ちんに
厳しい
老人
「たわけ!!!!!!!!」

老人の声は砲丸のような重みをもち、
マーラ氏のまらを直撃した。

北小岩 「大丈夫でございますか」
太井
マーラ
「ううう」

恐るべき老人の声。
マーラ氏はうずくまって
立つことができない。

おちん
ちんに
厳しい
老人
「思い上がるのも
 いい加減にせんか!
 ちんちんの世界は
 そんなに甘いものじゃない。
 世の中には本物の巨根と、
 だらしないから
 大きく見える粗根とがある。
 貴様のなど、
 粗根もいいとこじゃ!!
 わかったか!!」

太井
マーラ
「ははーっ!」

何だかよくわからないが、
妙に説得力だけはあるひと言だった。
マーラ氏は心を入れ替え、
だらしないちんぽから
本物の巨根を目指すこととなった。
めでたしめでたし。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2014-08-24-SUN

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